阪神・岡田監督 “グリコポーズ”で「おっしゃー!」森下弾で3連敗阻止 ルーティン変えてた「今日の勝ちは大きい」

 「巨人0-5阪神」(31日、東京ドーム)

 椅子から立ち上がり、雄たけびを上げた。0-0の八回2死一、三塁。森下の3点本塁打が左中間スタンドに突き刺さる。岡田彰布監督(66)は「おっしゃー!」と両手を上げる“グリコポーズ”で喜びを爆発させた。阪神待望の今季初得点は開幕戦から26イニング目。「久しぶりに点入ったなあ。取れる時はこんなもん」と思わず白い歯をこぼした。

 初回に本塁を踏めず、開幕から19イニング連続無得点でセ・リーグのワースト記録を更新。わずか1安打と劣勢で迎えた八回、均衡を破るべく動いた。原口、小野寺と2者連続で代打を送り出し、森下の劇弾を呼んだ。虎を38年ぶりの日本一に導いた勝負勘がさえた。

 「日本一監督」の称号は、つかの間の安息すら許さなかった。昨年12月のハワイ優勝旅行では、買い物に出かけても、居合わせた日本人観光客から何度も声をかけられるなど、プライベートはほとんどなかった。ハワイには仕事でインドネシアに在住している長男の陽集さん家族も同行していた。2人の孫との触れ合いが「唯一の救いでした」と妻の陽子さんは夫の心中をおもんぱかった。

 正月は「のんびりしたい」と静かな環境を求めた。陽子さんと2人でオーストラリアに渡り「新婚旅行以来かもしれない」(陽子さん)という夫婦水入らずの時間を過ごした。大都市を離れたリゾート地ではサインや写真をねだられることも数えるほど。自分を知る人はほぼいなかった。

 日光を浴びながら、日がなプールサイドで横になり、気が向けば買い物やゴルフに出かけた。何の制約もない、予定にも縛られないゆっくりとした時間が流れていった。「頭を空っぽにできたんじゃないですかね」と陽子さん。英気を養い、真っ黒に日焼けした顔でグラウンドに帰ってきた。

 最後は盤石の継投で宿敵に完封返しを演じた。今季初勝利で開幕3連敗を阻止。「今日の勝ちは大きい。そら借金3つが1つになるんやから。そら全然違うよ」と安堵(あんど)した。この日の球場入りでは、いつものようにエレベーターで地下に降りて食堂の喫煙所で一服することなく、階段を利用し、たばこも吸わずベンチ裏へ向かった。ルーティンを変えてまで白星を引き寄せようという執念だった。開幕から3戦目、連覇へようやく第一歩を踏み出せた。

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