阪神が新外国人ゲラ獲得へ 岡田監督大筋で認めた「ミエちゃん、友達できてええやん」 WBCパナマ代表の160キロ超右腕
阪神の岡田彰布監督(65)が17日、来季の新外国人として、23年WBCパナマ代表で米大リーグのレイズからFAとなったハービー・ゲラ投手(28)の獲得を大筋で認めた。残留が決まったヨハン・ミエセス外野手(28)と同じスペイン語圏の選手で、指揮官は「お友達できてええやん」と相乗効果に期待した。
パナマの剛腕が海を渡り、タテジマに袖を通すことになりそうだ。阪神が来季の新戦力としてリストアップしていたゲラについて、岡田監督は「(交渉は)もう進むというか、だいぶ前からとちゃうん。オーナーもビデオ見てるよ。パナマやろ。パナマ(の選手)はだいたい(獲得まで)いってるんちゃう」と契約が合意間近であることを大筋で認めた。
ゲラは19年に遊撃手から投手に転向した異色の経歴を持つ右腕。直球は最速100マイル(約160キロ)を超え、平均でも平均97・8マイル(約156・4キロ)を計測する。ツーシームは最速99・6マイル(約159・3キロ)に達し、スライダーや鋭く横に滑るスイーパーなど多彩な変化球も操る。
グラウンド外での相乗効果も期待できる。公用語がスペイン語とあって、ドミニカ共和国出身のミエセスとは通訳を介さずに会話が可能となる。今季の阪神はミエセスを除いた全ての外国人が米国出身だったこともあり、岡田監督は「ちょうどお友達できてええやん、ミエちゃん。しゃべれるやん、スペイン語で」と笑みを浮かべた。指揮官はミエセスとゲラが異国の地で互いの孤独感を解消し、プレーにも好影響を及ぼすことを望んだ。
阪神の外国人投手はビーズリーのみ残留で、岡田監督は来季の外国人について「もうちょっと獲るよ。ピッチャー、ピッチャー」と明かしていた。特に勝ちパターンの終盤を任せられる右投手を求めており、ゲラは虎将の要望にも合致する。
ただ、起用法については「そら、分からへんよ、外国人なんて来てからや。分からへんて」と明言を避け、来春キャンプで適性を慎重に見極める考えだ。
外国人選手に関しては来季も1軍に5人まで登録可能となる見通しで、岡田監督も「一応5人まではいこかとなっとる」と語っていた。“残り1枠”の外国人については「いや、後は分からん」と話すにとどめたが、さらなる補強の可能性を入念に探っていくことになりそうだ。
◆パナマ出身の外国人選手 阪神ではこれまでパナマ出身の助っ人選手はおらず、ゲラが初となる。他球団を見ると、懐かしいところでは1987年から2シーズンを近鉄でプレーしたベン・オグリビー。MLB本塁打王でNPB通算46本塁打をマークした。また、ソフトバンクとロッテでプレーしたフリオ・ズレータは03年からの6年でNPB通算145本。フェルナンド・セギノールはオリックス、日本ハム、楽天の3球団でプレーし、04年に44本塁打でタイトル。
◆ハービー・ゲラ(Javier Guerra)1995年9月25日生まれ、28歳。パナマ出身。183センチ、84キロ。右投げ左打ち。投手。2012年にアマチュア・フリーエージェントでレッドソックスと契約。18年にパドレスでメジャーデビュー。当初は内野手でキャリアをスタートさせ19年に投手転向。23年はブルワーズとレイズでプレー。パナマ代表として23年WBC出場。