「ＪＥＲＡ　ＣＳセ・ファイナルＳ・第３戦、阪神タイガース４－２広島東洋カープ」（２０日、甲子園球場）

　日本シリーズ進出が決まると、阪神左右の若き大砲・佐藤輝明内野手、森下翔太外野手も満面の笑みを浮かべていた。３連勝、スイープでの広島撃破。対戦相手は未定だが、自信を持って敵に挑めるに違いない。

　佐藤輝は貴重な出塁で貢献した。同点の六回２死走者なし。フルカウントから床田の直球を中前に運んだ。「つながって良かったです」。その後、ノイジーが四球を選び、坂本が勝ち越し打。聖地は大歓声に包まれた。

　七回には右翼ポール際への大ファウルも放つなど、佐藤輝らしい当たりも見られた。８月以降、好調をキープしている背番号８が、日本一へのキーマンとなりそうな気配が漂っている。

　森下は選球眼、美守で魅せた。１点リードの七回１死満塁。カウント３－１から矢崎の高めに浮いた直球を見送り、押し出しを勝ち取ってほほを緩める。

　そして、その直後の八回の守備。２死一、二塁で代打・松山のライナー性の飛球が右翼・森下を襲った。全速力でチャージし、抜群のタイミングでスライディングキャッチ。抜けていれば、確実に同点となっていただけに、勝敗を分ける陰の好プレーとなった。森下は実感を込めて言う。

　「今日みたいにフォアボールを取れたり、守備で貢献できたり、そういうのが短期決戦だと重要になってくると思う。打つだけじゃないというのは、今回のＣＳで体感できたかなと思いますね」

　左右の和製大砲が力を発揮すれば、確実にチームは乗る。大舞台でも２人のバットが必要だ。