「阪神タイガース５－１広島東洋カープ」（９日、甲子園球場）

　阪神が９月負けなしの７連勝で、マジックを一気に三つ減らして１桁の「７」とした。今季の広島戦のカード負け越しが無くなり、セ・リーグのアグリーメントで「交流戦を除いた、セ球団同士のリーグ戦成績の上位」の項目が適用されるため、一気に３減となる“珍現象”が発生した。

　価値ある１勝を呼び込んだのは先発の大竹だ。立ち上がりから広島打戦を寄せ付けず、四回まで外野に一度も打球を飛ばさせなかった。七回に２死から失策で走者を出し、田中の左前適時打で１点を失ったが、七回途中５安打１失点（自責０）の快投を見せた。

　「前回の登板で遊び心がなかったので」とお立ち台で語った大竹。８０キロのスローカーブを投じるなど、まさに変幻自在で広島打戦を封じた。

　さらにバットでも二回、ノイジーの適時打で先制しなおも１死一、三塁から３球目までバントの構えを見せるも、４球目はバスターに切り替えて森下の直球を捉えた。打球は左翼の頭上を越すプロ初タイムリー。岡田采配がズバリと的中し、左腕は二塁塁上でド派手なガッツポーズを見せるなど、投打に躍動してプロ入り初の２桁１０勝をつかんだ。

　打線は二回に一挙４点を先制すると、五回に大山の三ゴロ間に大きな追加点を奪った。七回途中からマウンドに上がった石井がイニングをまたいで１回を無失点に抑え、２死から桐敷を投入する盤石継投。九回２死一、二塁でセーブシチュエーションになると、守護神・岩崎を投入して逃げ切り。岩崎はリーグトップの３１セーブ目を挙げた。

　これで阪神は甲子園の広島戦で１引き分けを挟んで６連勝。ポストシーズンを見据えても広島を寄せ付けない横綱相撲で押し切ったゲーム内容にも価値がある。マジックを１桁に減らし、２位・広島とは今季最大の１０ゲーム差。１８年ぶりのアレへ、カウントダウンが始まった。