【岡田の野球 道一筋4】強いチーム作りへ意識する「細かいことの積み重ねよ」

 いよいよ発足した第2次岡田政権。4年間の矢野野球が終わり、これから始まる「岡田の野球」とは?デイリースポーツの阪神担当キャップらが、その神髄に迫る。

  ◇  ◇

 「細かいことの積み重ねよ」-。近年、評論の最中に岡田新監督の格言を何度も耳にした。その“細かいこと”とは?メモを見返しながら反すうしていくと、「勝つためにやるべきこと」という文言に変わってくる。

 具体例として、2020年8月19日の巨人-阪神戦(東京ドーム)の初回、1死一塁から巨人・松原がスタートを切り、ウィーラーは一、二塁間へゴロを放った。ベースカバーに入ろうとした上本は逆をつかれ捕球できず、一、三塁とピンチを広げた。

 結果、大量失点につながり「セオリーではないよ」と指摘した岡田氏。「この状況でまず防ぎたいのは一、三塁にすること。逆方向へ打てるウィーラーであれば、ベースカバーに入るのはショートよ。一、二塁間、三遊間、どちらを抜かれた方が一、三塁になる確率は高い?そういう細かなミスが積み重なって大量失点になってまうんよ」と評した。

 スチール時の二塁ベースカバーにセカンドが入るか、ショートが入るか-。一般のファンから見れば大差ないことかもしれない。だがプロ野球の世界では選択ミスが命取りになってしまう。ましてや野球はチームスポーツ。勝つために組織として連動しなければいけない状況で、わずかなほころびがゲームの流れを暗転させる“怖さ”を岡田新監督は知っている。

 他の例として、求められていない場面で投手が初球打ちしてしまう。逆に1番打者が初球から打ってしまい、前打者の投手が準備を整える時間がなくなってしまう。底冷えする甲子園のナイターで、投手が出塁したにもかかわらず誰もグラウンドコートを持っていかないなど、ささいな面にも目配り&気配りを欠かさない。

 これら「勝つためにやるべきこと」を各選手、首脳陣が徹底することで、チーム内に強固な信頼関係が生まれる。ここ数年目立った外見的なパフォーマンスではなしえなかった、ペナントレースを勝ち抜くための「強いチームの雰囲気」が構築されるはずだ。

 2000年代後半の阪神は、先発投手陣などに不安を抱えながらも隙を見せなかった。それは「強さ」という言葉で語られ、第一次岡田政権の圧倒的な勝率が証拠となった。

 「野球を勉強せなあかんよ」-

 ポテンシャルが高い今の選手たちが野球を学び、「チーム」となって団結した暁には、2005年以来となる「優勝」の2文字が見えてくるはずだ。(デイリースポーツ・重松健三)

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