【岡田彰布氏の眼】阪神・青柳に「死角が見当たらない」大山は「仕留める確率上がっている」
「オリックス1-6阪神」(10日、京セラドーム大阪)
阪神、オリックスで監督を歴任したデイリースポーツ評論家・岡田彰布氏が10日、オリックス-阪神戦を解説した。先発の青柳が7回2安打無失点でリーグトップタイの7勝目。6月好調の大山は先制打にダメ押し3ランを放った。岡田氏は青柳を「今は死角が見当たらない」と称賛。大山もタイミングの取り方が好調の一因だと分析した。
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青柳がピンチを招いた初回が慎重過ぎたかなというぐらいで、危なげなかった。
安定した投球を続けている要因はやはり制球力だろう。オリックス打線に対して、打者のベルトより上にボールが行くことがほとんどなかったし、低目へきっちり投げられていた。
今まではどちらかと言うと、四球が絡んで崩れたり、失点したりする印象があったが、今は全くそういう感じがない。
以前は苦手にしていた左打者も苦にする様子がない。左打者の外角への直球系はかなりシュートしており、左打者は内角の後に外角へ投げられたらバットが届かないように感じるのではないか。
右打者も攻略は難しいだろう。七回無死の杉本は外角が続いて最後も外角を狙ってたと思うが、青柳はフルカウントからの7球目にしっかり内角へツーシームを投げきってバットを折って二ゴロに仕留めた。
左右どちらも苦にしないのも、制球力があるからこそ。今の青柳には死角が見当たらない。
打線では6月好調の大山が初回に先制適時二塁打、五回はダメ押し3ランを放った。
開幕のころは間がなくて“点”で打っているように感じていたが、今は大きくどっしりと構えている。そこからゆっくりとタイミングを取れているから、仕留める確率も上がっているのだろう。
チームとしては相手投手の調子が悪かったり、相手にミスがあったりするとある程度は点が入る。だが、相手投手に好投されると、前カードのソフトバンク戦で2試合連続完封を許したように、極端な試合が多いことが気になる。
今は大山の状態が良いだけに勝てているが、打てなくても点を取るなど、そういうところは課題にしてもらいたい。