西勇セ界トップの防御率1・91 冴えた宝刀シュート 低迷阪神だけど甲子園勝率は5割復帰
「阪神3-1中日」(27日、甲子園球場)
阪神・西勇輝投手(31)が貫禄の投球で竜打線を封じた。甲子園のマウンドで何度も何度も雄たけびを上げた。6回5安打1失点。20年10月8日・広島戦以来、毎回の10奪三振で今季2勝目だ。
今季は甲子園で2試合に登板して2勝、防御率0・60。お立ち台に立ち、「たくさんの応援ありがとうございます。声援が力になっています」と本拠地の虎党に感謝した。
先発予定だった前日26日の中日戦が雨天中止となり、スライド登板。初回に先制点を奪われたが、落ち着いていた。「坂本と話しながら一人一人、一球一球と思いながら」。五回2死一、二塁では鵜飼を外角直球で見逃し三振。右打者への内角シュートがことごとく決まり、ペースを握った。
西勇の代名詞とも言えるシュートの原点は菰野高校時代にある。コーチとして右腕を指導した佐藤良氏(39)=現特別支援学校・伊賀つばさ学園教員=が、当時を振り返った。
「最初はシュート回転するボールに悩んでいたんですよ。よく外角を狙ったボールが中に入って打たれることがありました。本人は『体が開いているのかな…』と言っていましたね。でも、いつの間にか内角にビシッと投げられるようになって。もともとコントロールは良かったんですけど、気づいた時には武器になっていました」
高校入学当初は弱点だったシュート。西勇は課題として捉える一方、武器にするという逆の発想も持っていた。プレートの一塁側から右打者の内角に投げる練習を反復。ナチュラルシュートに可能性を見いだし、地道な努力で持ち味に変えた。
矢野監督は「ちょっと体の張りもあったので」と6回92球での降板理由を説明。それでも「もしかしたら今シーズン一番いいのかなというくらいの感じ」と十分すぎる仕事っぷりに目を細めた。防御率1・91はリーグトップ。背番号16は「巻き返すしかないと思います」と決意を込めた。
◆甲子園での勝率5割 阪神が27日・中日戦に勝利。今季は甲子園で9試合を戦って4勝4敗1分けとした。
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