【中田良弘氏の眼】同球種3球続けた阪神・西にあっぱれ しかも同じコース

 「阪神3-1中日」(27日、甲子園球場)

 先発した阪神・西勇輝投手(31)が6回5安打1失点、今季最多の10三振の力投で2勝目を挙げた。チームを連勝に導いた右腕の投球を、デイリースポーツ評論家の中田良弘氏(63)は「勇気と自信と制球力に驚かされた」と絶賛。中でも六回に阿部を迎えた場面での投球術に舌を巻いた。

  ◇  ◇

 西勇の勇気と自信と制球力に驚かされた。2点リードの六回1死一塁で、初回に先制打を許していた阿部を迎えた場面。カウント1-1からシュートを3球続けて、空振り三振に打ち取った。

 投手って、同じ球種を3球続けるのって怖いんだよ。2球続けることはザラにあってもね。3球続けるとなると、さすがに相手も読んでるんじゃないかっていう思いが強くなるし、コントロールも間違えられない。ただ、西勇は内角のほぼ同じところに3球投げ込んだ。まさにあっぱれだ。

 何が面白いかと言えば、次回の対戦において、まず西勇が優位に立って試合を組み立てることができるからだ。中日打線はこの日の残像があるから、内角を意識してくる可能性が高い。そこで阪神バッテリーが逆手に取ることができれば、外側のスライダーで読みとバットの芯を外し、外に意識が向いてきたら、内角を突いて詰まらせる。次回対戦へのまき餌となる投球だった。

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