阪神・佐藤輝 60打席ぶりH出た~!ビジター9番勝負“初戦”で「必死だった」

 「DeNA2-5阪神」(5日、横浜スタジアム)

 長い苦しみの先に最高の笑顔があった。阪神・佐藤輝明内野手(22)が初回2死一、二塁から、60打席ぶりの安打となる右前適時打。一挙4得点の猛攻を演出し、今季7度目の4連勝を導いた。首位・ヤクルトも勝ってゲーム差は「1」のままだが、トンネルを抜けた怪物新人が実りの秋の主役となる。

 苦しんだ分だけ、喜びも大きかった。佐藤輝が呪縛から解放され、一塁上で右手を突き上げる。そのまま感情を爆発させ右拳を振り下ろすと、少年のような笑みがこぼれた。ベンチのナインも総立ちで大喜び。誰もがこの一打を待っていた。

 2点を先制した初回2死一、二塁。59打席連続無安打の中、打席に向かった。追い込まれながら、外角の変化球に食らいつく。白球が一、二塁間を抜けると、拍手が球場を包み込み、「佐藤輝明」と書かれた水色のタオルが揺れた。

 「チームの勝利に貢献できた。必死だったんで、すごいうれしいです。みんな待ってくれていたんで、やっと出せて良かったです」

 8月21日の中日戦以来、60打席ぶりに「H」ランプをともした。規格外の場外弾を放つなど、衝撃を与えてきた横浜で、長い長いトンネルから抜け出した。

 後半戦は2軍落ちを経験。それでも「もちろん悔しいですけど、自分の実力なので」とひたすらバットを振った。甲子園では居残りで、遠征先のナゴヤ球場でも黙々とスイングを重ねた。

 大学3年秋のリーグ戦でも、打率2割を下回る不振に陥った。「しんどいですけど、やるしかない」。その時も練習のおかげで、復調できた。局面打開に向け、頭には練習をすることしかなかった。

 やっと出た一本。「プロ野球は難しいなとすごく思いましたね」と本音がこぼれた。「でも、この経験を糧にして、またレベルアップしていけるように」と決して満足はしない。矢野監督も「いいきっかけにしていくように」とさらなる活躍を求めた。

 散髪して、両サイドを刈り上げた怪物新人。「気分転換の効果」は抜群で、気分もスッキリとした。16年ぶりの悲願に向けて、やはり猛虎打線に欠かせない存在だ。「チームの優勝に直結するような数字を残していきたい」。残り16試合。ツバメを撃ち落とすピースに光が差し込んだ。

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