阪神ガンケル 昼は負けなし7連勝 あっ晴れ9勝で来日初2桁星に王手

中日打線相手に好投するガンケル
 先発し、投げ込むガンケル(撮影・田中太一)
 先発し力投するガンケル(撮影・山口登)
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 「阪神1-0中日」(3日、甲子園球場)

 阪神ベンチでジョー・ガンケル投手(29)の表情が突如、曇った。1-0の七回1死から福田に右前打を打たれ、降板。後を託した及川が、暴投で1死三塁とピンチを拡大したからだ。祈ることしかできない-。次の瞬間、その祈りは届いた。

 高橋周は空振り三振し、三走・福田も飛び出してタッチアウト。若き左腕が無失点で切り抜けた。クールな助っ人が、ベンチで飛び上がって雄叫びを上げる。「中継ぎがゼロで抑えてくれたので、本当に良かったよ」。何度も何度も手をたたき、喜びを爆発させた。

 先発としては十分な仕事内容だ。6回1/3を4安打無失点。「低めに丁寧に投げて」バットの芯を外す。持ち味のゴロで打たせて取る投球で、竜打線を封じ込めた。

 9月19日の巨人戦では2回7失点と炎上。しかし「ベーシックな形に戻した」とフォームを見直し、2試合連続で白星をつかんだ。矢野監督も「研究熱心さというのは、修正には欠かせないもの」と評価。残り試合も「任せられる」と改めて信頼を寄せた。

 9勝目を挙げ、助っ人3人で上がったお立ち台。スアレスから「人格もすごいいい人。野球でも競争心の強い、いい投手なので、いい同僚を持てて、非常に誇らしく思うよ」と最高の褒め言葉をもらった。顔を見合わせ、照れくさそうにペコリ。異国の地で戦う助っ人たちにも、強固な結束力が生まれている。

 デーゲームは10戦負けなしの7連勝で、来日初の2桁勝利に王手をかけたガンケル。ただ「チームが絶対に勝たないといけない試合が続く」と、個人成績よりもチームの悲願に向けて、腕を振る覚悟だ。

 「タイガースファン、サイコウデス。イツモ、アリガトウ」。お立ち台は流ちょうな日本語で締めた。来日2年目、ますますタテジマが似合ってきた。

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