阪神・佐藤輝 幻24号 大飛球がリプレー検証でファウルに 24日巨人戦で本物弾頼む

 4回、ホームランの判定で、カメラに向かってZポーズを決めた佐藤輝。その後リクエストでファウルとなる(撮影・飯室逸平)
 4回、完璧な当たりで右翼席へ打球を運ぶ佐藤輝(撮影・田中太一)
 4回、佐藤輝(中央)が放った2ランはリプレー検証で試合が中断。祈る想いでビジョンを見る阪神ベンチ(撮影・田中太一)
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 「中日3-3阪神」(23日、バンテリンドーム)

 神様のイジワル…。阪神・佐藤輝明内野手(22)が昇格即「7番・右翼」で先発出場し、四回に右翼ポール際への大飛球を放ったが、リクエストで本塁打判定からファウルに覆った。幻の24号2ランで4打数無安打に終わり、連続打席無安打は「39」まで伸びた。きょう24日からは敵地・東京ドームでの巨人3連戦。正真正銘の復活弾を頼む。

 完璧な弾道。佐藤輝も、ファンも本塁打を確信した。1点リードの四回1死一塁。白球が右翼ポール際に着弾。川口一塁塁審が頭上で右手をグルッと回し、悠々とベースを一周。ベンチ前で虎メダルを首にかけられ、カメラにZポーズを披露…ここまでは良かったが、与田監督がリクエストを要求。リプレー検証の末、判定はファウルに覆り、幻の24号2ランに。復活の号砲にはならなかった。

 心配そうにベンチ内でセンター後方のメインビジョンの映像を見つめたが、わずか数十センチ、打球はポールの外側を通過していた。判定が変わり、再び打席へ。カウント1-2からカットボールを仕留めに行ったが、併殺崩れの一ゴロに抑えられ、一塁塁上で悔しさをにじませた。まさに天国から地獄だ。

 空振り三振、一ゴロ、左飛の3打数無安打で迎えた九回の最終打席は、フルカウントから藤嶋の直球に手も足も出ず見逃し三振。これで39打席連続無安打。今季153三振目を喫し、10年のブラゼルに並ぶ球団2位タイの三振数になった。

 22日のウエスタン・広島戦で本塁打を放ち、試合後に名古屋へ移動した。試合前の合流あいさつでは「フレッシュな僕が入ると思うことによって、今のチームの流れを変えられるように頑張ります」と決意表明し、先輩野手からは「頑張れよ」と声かけされていた。

 矢野監督は「『ムードを変える』って本人も言ってたんで。結果は出なかったけど、そういうピースになってくれたら。プロである以上、結果が求められていく世界なので」と、改めて残り26試合で16年ぶりのリーグ優勝に突き進む起爆剤となることを期待した。

 「いい当たりも出たので」と前を向いた佐藤輝。24日からの巨人3連戦に向けて「負けられない戦い。少しでもチームのために今、自分のできることをやっていきたい」と必勝態勢を整えた。敵地・東京ドームで正真正銘の“復活弾”を放ち、勝利の立役者となる。

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