阪神・梅野 御礼弾!球宴ファン&選手間投票W選出 1カ月ぶり先制2号
「阪神1-6ヤクルト」(1日、甲子園球場)
守護神が打たれた瞬間、阪神・梅野はぼう然としていた。甲子園で先制ソロを放っても、勝利をつかめなければ意味はない。約に飛び出したアーチにも、心から喜べなかった。
聖地に詰めかけた虎党を歓喜させた。両軍無得点の六回。打ちあぐねていた奥川のスライダーを狙いすましていたかのように強振。左翼席に着弾する2号ソロを放ち、均衡を破った。
割れんばかりの歓声の中、ダイヤモンドを一周。5月30日・西武戦以来となる今季初の甲子園弾に「ガンケルが本当によく頑張って投げてくれていたので、何とかしたいという気持ちでした。最高の結果になりました」と“奮投”に是が非でも応えたいという気持ちをバットに乗せた。
しかし七回、ガンケルが山田に同点ソロを被弾。同点のまま迎えた九回2死満塁でスアレスが代打・宮本に左翼線への2点適時打を許して勝ち越され、懸命にリードを続けた梅野も肩を落とした。後味の悪い負けに、どこか浮かない表情を浮かべていた。
試合前には、うれしい知らせがあった。すでにファン投票でオールスターの出場権を得ていた梅野だが、選手間投票でも選出され「同じプロ野球選手から、選手の目線で選出されたこともすごく光栄」と喜びを口にした。そして、その御礼弾とも言える一撃が生まれた。
球界の誰もが認める捕手として評価されている。東京五輪侍ジャパンにも選出されているが、定評の高い守備力に加え、この日、魅せたような勝負強い打撃にも注目が集まる。
2位・巨人とのゲーム差は「2」に縮まった。勝利できなかった悔しさは、2日からの広島戦にぶつけるしかない。窮地に立たされた虎を救え-。全力プレーで必ず勝利へいざなう。