【谷佳知氏の眼】阪神・中野 驚異の対応力と走る勇気 交流戦打率・304、8盗塁

 リーグ戦再開を前に、デイリースポーツ評論家の谷佳知氏(48)が阪神の選手を1人ピックアップし、ここまでのプレーを分析した。ドラフト6位・中野拓夢内野手(24)=三菱自動車岡崎=の対応力などを評価。交流戦期間を経てチーム状況にも変化があった中、変わらず首位を走るチームと同選手に期待を寄せた。

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 中野の成長力というかプロへの対応力には驚かされる。交流戦18試合で打率・304、8盗塁。これは本当に立派な数字だ。

 特に新人でこれだけ盗塁ができるのはすごい。技術面よりも感心するのは中野の勇気だ。実は盗塁はこの勇気が大事。選手は100%成功すると思って走るのだが、自分の中で成功しないと思う率が10%出るだけでスタートが切れなくなる。プロの投手は簡単にはスタートを切らしてくれない。それでも阪神の球団スタッフが集めてくれる詳細なデータを信じて走っている。再開されるリーグ戦では警戒されるはずだが、1年目だし失敗を恐れない気持ちが大切だ。

 また交流戦で感じたのは近本との1、2番コンビのすごさ。足の速い中野が2番にいることで併殺の可能性が少なく、簡単にバントをする必要がない。うまく行けば初回に無死一、二塁の好機を作れるのは相手にとって脅威。今後もこのコンビが機能すれば得点力は落ちないはずだ。

 打撃に関しては開幕当初に比べ、よくなっている。逆方向へ打つ技術があり、打撃エリアを90度使えるのが中野の魅力。スイングに癖もなく、弱点が少ない。あえて助言をするならば、相手投手の球種やコースを読む力を高めて欲しい。それができれば、おのずと率は上がるだろう。

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