「西武７－１０阪神」（２８日、メットライフドーム）

　お父さん、やったよ－。３年目の阪神・斎藤がプロ初勝利を挙げた。２点ビハインドの八回に登板。山田を空振り三振、若林を二飛、森を右飛に打ち取って１回を三者凡退。直後の九回に佐藤輝の３ランなどで大逆転。白星が舞い込んだ。

　「野手のみなさんや、チームのみなさんのおかげだと思うので、本当にありがたい気持ちでいっぱいです」

　愛する家族の存在が何よりの原動力だ。昨年、３歳の息子・暖くんに、初めておそろいのユニホームをプレゼント。「お父さんと同じユニホームを着て応援してもらいたい」と市販のレプリカではなく、選手と同じ素材のプロコレ仕様を選んだ。ウイニングボールは「家族にあげます」と右腕。このユニホームを着てテレビの前で応援してくれたであろう最愛の存在に、ようやくうれしい報告を届けられる。

　昨季はプロ初先発を果たしたが、初勝利はならず。同期入団の近本、木浪らが活躍する中「うれしさもあって、悔しい思いもあった」と複雑な思いを持ちながら汗を流してきた。

　ようやく立てたスタートライン。今後も「チームに勢いをつけられるようなピッチングをやっていきたいと思います」と意気込む。最愛の家族のため、これからも“お父さん”がチームのために腕を振る。