阪神・ドラ6中野 森下撃ち先制初V打 憧れの05年打点王・今岡ばり勝負強い打撃

 お立ち台でガッツポーズする佐藤輝(左)と中野
 2回、右前へ先制適時打を放つ中野(撮影・田中太一)
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 「阪神6-0広島」(14日、甲子園球場)

 難敵を前にしても臆することはなかった。中野が開幕戦からゼロ行進を続けていた森下に風穴をあける。待望の先制打。ルーキーのバットが奏でた快音が勝利を呼び込んだ。

 突破口を切り開いたのは、0-0の二回だった。2死一、二塁で迎えた第1打席。2ボールから右腕の151キロ直球を、鮮やかに捉えた。「ストライクを取りに来るという読みも含めてしっかりと振りにいけた」。打球は右前に弾む先制の適時打。これが、猛攻の口火となった。

 チームはこれまで、森下の前に何度も苦汁を飲まされてきた。ただ、初対戦となった中野には関係ない。「こういう投手を打っていかないと、なかなかスタメンで出る機会もない」。懸命に食らいつき、結果を残した。

 存在感を示す勝負強い打撃。中野少年が目に焼き付けた虎戦士もここぞの場面で快音を響かせる選手だった。「2005年に今岡選手が打点王を取っていたんですけど、ずっと見ていました。チャンスに強いバッターに自分もなりたいと思っていましたね」。球団記録の147打点をマークした憧れの勝負師が目標だった。

 一方、守備では課題を残した。八回、2死から菊池涼が放ったゴロをはじき、出塁を許した。西勇が後続を抑えて得点にはつながらなかったが、矢野監督は「中野が捕ってアウトにしていたら(西勇を)九回もっていうのはあり得たと思う。投手にとって完封というのは一つの目標なんでね」。期待しているからこそ、あえて苦言を呈す。

 照れくさそうに同期入団の佐藤輝(近大)とお立ち台で並んだ。「新人の中野です。これからしっかりと名前と顔を覚えてもらえるように頑張りますので、よろしくお願いします」。つかんだチャンスは絶対に離さない。遊撃の定位置を一気につかみきる。

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