阪神・井上が1軍に生き残る意外な条件とは?元名参謀・高代氏が“秘策”を示唆

3回阪神2死、阪神・井上広大は左前打を放つ(捕手 中日・大野奨太)=北谷(撮影・山口登)
1回、井上は右翼線に二塁打を放つ(撮影・山口登)
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 今年2年目の阪神・井上広大外野手(19)が実戦練習で主軸を務め、結果を出している。果たしてこのまま1軍メンバーとして生き残ることができるのか。デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏は「もうワンランク、動きにキレが出てくれば」との条件付きで合格印を押した。

 佐藤輝は新人ながら相当の力量の持ち主だと思うが、井上も将来性なら負けていない。それほど期待の高い選手だといえる。

 20日に北谷で行われた中日との練習試合で、1打席目にライト前へ落ちる二塁打を放った。力のない当たり損ねの打球ではあったが、いい打ち方をしていないと、あそこまで飛んでいかないものだ。内角低めの球を窮屈そうに打ったが、しっかり腕をたためている。この点に進歩がうかがえる。

 去年、彼を2軍で見ていたが、本人自身、左脇の甘さをずっと気にしていた。内角球に差し込まれるということだった。特に高めの速球に空振りするシーンが目立った。先の右前二塁打は低めの球だったが、脇を絞って打つことができていた。

 16日の楽天戦でも内角低めの速球をうまくさばいて、左翼方向へ引っ張る二塁打を放った。彼は練習の数もよくこなすし、努力が成果として少しずつ表れているのだろう。

 ただ、守備と走塁面において体の動きのキレとでも言うか、瞬発力がほしいとも感じる。もうワンランク、いや、もうツーランク上を目指してほしい。中日戦では二盗を試みアウトになったが、スライディングが少し緩んだようにも見えた。そこが少し気になる。

 ひょっとして古傷のヒザを気にしているのかもしれない。もしそうだとしたら、そこは故障箇所の周辺を鍛え直して、乗り越えていくしかない。

 私が中日のコーチをしていたとき、大学在学中にヒザを手術した経歴のある井端を指導した際、井端本人から「壊れてもいいから鍛えてほしい」と言われたことがあった。

 当然、本当に壊れるような無謀な練習などやらないが、周囲は心配して、どうしてもブレーキをかけたがる。だから本人が覚悟して練習に臨まなければ、レギュラー獲りは難しい。

 井上は守備もいい。スローイングは安定しており、外野からの返球も大きくそれることが少ない。打てて守れる選手。しかも長打力を備えている。選球眼もいいし、まさに逸材だ。

 それだけに矢野監督も、このまま結果を出し続けることを期待しての先発起用だと思う。この期待に井上がどこまで応えることができるか。

 ただ、起用法が難しいのは確かだろう。代打要員としてベンチに置いておくタイプではない。先発メンバーで4度打席に立ってこそ魅力の出る選手。競争の激しい外野で、高い壁が立ちはだかるが、これに打ち勝てばチーム力は一段と上がるはずだ。

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