阪神・井上 ドラ1佐藤輝に負けん!1軍初の4番起用に“一発回答打”
「練習試合、阪神2-2楽天」(16日、かりゆしホテルズボールパーク宜野座)
阪神・井上広大外野手(19)が16日、練習試合・楽天戦(宜野座)に1軍で初めて4番で先発した。四回無死一塁で左翼線二塁打を放つなど中軸起用に奮起。ドラフト1位・佐藤輝と共に、将来の猛虎の主軸として期待される大砲は、貴重な経験を今後に生かす。
タテジマの4番を張る以上、簡単に倒れるわけにはいかない。打席の中で集中力を研ぎ澄ませた井上。バットをコンパクトに振り抜き、ボールの真芯を射抜いた。鋭い打球は左翼線を突破。悠々と二塁に到達し、1軍初の4番起用に“一発回答”だ。
「負けている展開でもあったので、何としても走者を進める中で長打が出たのは良かった。うまく反応でき、切れることもなかったですし、きれいに飛んでくれた」
1点を追う四回だ。先頭のドラフト1位・佐藤輝が中前打で出塁。ルーキーが作ったチャンスに4番が奮起した。左腕・池田駿が投じた内角低め140キロ直球に反応。二塁打で無死二、三塁と好機を広げて、原口の逆転打をおぜん立てした。
同点の八回は1死一、三塁で打席へ。勝ち越しの場面だったが、重盗失敗で2死二塁となった。さらに自身は死球。「打ちたかったです」と悔やみながらも「後ろにつなぐというのがチームのテーマでもあるので」と最低限の役割を果たした。
試合後のミーティングが終わった後は、三塁ベンチ前で矢野監督と話し込んだ。指揮官からは「難しいボールを打てたんじゃないかなと思うし。その後の(六回無死の)キャッチャーフライもいいポイントで振れているから。今はあれをやっていこう」と打撃の内容も評価された。
打順がどこであろうと、井上の打撃スタイルは崩れない。4番の重責を終え、「1本出ることでホッとするというか。また気が引き締まるという気持ちもあるので。この1本をきっかけにもっとアピールしていけたらと思います」と力を込めた。目標は開幕1軍。さらに真の4番となるために、無我夢中でバットを振り続ける。