岡田彰布氏が分析 阪神ドラ1・佐藤輝のスイングは首脳陣がイジってはダメ

 阪神、オリックスで監督を歴任し、デイリースポーツ評論家を務める岡田彰布氏(63)が8日、阪神のドラフト1位ルーキー・佐藤輝明内野手(21)=近大=の現状を解析した。第2クール初日からの3日間で黄金ルーキーの動きをチェックし、現状で「プロの球に慣れれば打てる」と分析。トップを作った際のグリップ位置などに改善ポイントはあるものの、それは実戦の打席に立っていけば自然と解消されるものと指摘した。

 ◇ ◇

 第2クールから宜野座キャンプを視察しているが、やはりドラフト1位の佐藤輝は目を見張る存在だ。最初に着目したのが体つき。下半身の大きさ、上半身とのバランスなど、1年目ながら“プロの体つき”になっていると思う。

 守備に関してもキャンプ前にはまず三塁で勝負させてみてはと言ったが、シートノックを見る限り、外野よりも三塁の方でいいスローイングをしている。大学時代の佐藤輝を見たことはあるが、守備面については正直、これといった印象はなかった。ただ実際にノックを見ていると、内野の方がコンパクトに腕をたたんでスローイングできている。強さもあり、コントロールのブレも少ない。

 そしてバッティングに関しては、やはりあれだけ打球を飛ばせるのは魅力だ。フリー打撃だけでなく、紅白戦の打席を見ていると、どの球種に対してもしっかりと自分のタイミング、間合いで振ることができていた。

 あえて気になるポイントを挙げるとすれば、構えからトップを作っていく際にグリップの位置がヘルメット付近にあるところ。一般的に“上段の構え”と言われるが、187センチと身長が高い打者がこの構え方をすると、始動からインパクトするポイントまで距離が出すぎてしまう。

 この距離が長ければ長くなるほど、ミスショットの確率は増す。フリー打撃や実戦の打席を見ても、打ち損じや差し込まれて逆方向への打球が多いのは、ここに原因があるかと思われる。ただこれはプロの一線級と対戦を重ねていけば自然と修正されていくものだ。

 プロの速い球に対応しようとすれば、おのずとコンパクトになってくる。グリップを肩のラインに置き、インパクトまで最短距離で持って行く方が、ストレートに打ち負けないと感じるかもしれない。そこは打席に立ち、本人が考えていく“慣れ”の部分。現状、どの球種に対しても自分の間合い、タイミングでスイングができている。そしてあれだけの飛距離を持つ選手だけに、結果が出なくても絶対に首脳陣が打撃フォームをいじってはいけない。

 仮にトップの位置を含め、全体的にコンパクトになったとしても、十分にスタンドへ運べるだけの飛距離は維持できるだろう。今は結果が出なくても気にする必要はない。1打席でも多くプロの投手と対戦し、慣れていけば打てるようになると感じささせるスイングだと思う。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス