才木も初星 青柳に続き連勝導いた 粘投5回1/3を1失点、五回まで二塁踏ませず

 「DeNA1-3阪神」(24日、横浜スタジアム)

 若虎が快投。チームは5カードぶりの勝ち越しを決め、単独最下位から脱出した。今季初登板初先発の阪神・才木浩人投手(20)が、六回途中1失点で今季初勝利。先発陣が苦しい台所事情の中、前日の青柳に続く好投でチームに連勝をもたらした。横浜スタジアムは今季もやっぱり好相性だ。

 最後の最後に、ようやく笑った。1点に笑い、1点に泣いた2時間55分の投手戦。自分自身と向き合い続けた時間も、悔しかった降板も。この一瞬の喜びのために乗り越えてきた。今季初先発の才木が、5回1/3を投げ5安打1失点。笑顔さく裂の今季初勝利だ。

 ただ結果以上に、途中降板という事実が悔しかった。2点リードの六回。1死走者なしから、まずは神里に左中間二塁打を浴びる。この日初めて得点圏に走者を背負うと、ソトを迎えた。ここは内角直球で詰まらせた…が、打球は左前にポトリ。「攻めた結果なので」と前を向いたが、1点を返された。そしてロペスにも左前へ。ここで阪神ベンチが交代を決断。無念の降板となった。

 だが、立ち上がりから持ち味全開だった。昨年10月8日以来の1軍舞台だ。「力んでしまった部分はありました」。表情はこわばり、静かに息を吐いた。落ち着け、落ち着け。するとDeNA打線を手玉に取り、五回までは二塁すら踏ませない快投を見せた。

 目標は隠さず、あえて言葉に乗せた。「開幕ローテ入り」を公言。昨季6勝10敗と経験を積んだ右腕は、今季こそチームのためにと意気込んでいた。それでも3月2日。登板機会を求めた2軍戦で、まさかの4回3失点。そのまま2軍行きが通達された。苦しむ才木の携帯が光る。矢野監督からメールが届いた。

 「2軍降格で、まさか落ち込んでるんと違うやろな」

 一文字、一文字に励まされ、すぐさま気持ちを入れ替えた。「今すぐ1軍」という考えを捨て、焦らずと言い聞かせるように。2軍戦では広島・メヒアやオリックス・ロメロに被弾も経験したが、打たれて悲観するのではなく、全てが勉強だと前向きに捉えるようになった。

 無念の途中降板に、思わず天を見上げる。初めて見る横浜の空。それでも手にした白星に、その視界は晴れていった。「まだ始まったばかり。チームの勝利に貢献できるようにしたい」。悩んだ時間は無駄ではなかった。反省を糧に、勝利を自信に-。次なる戦いへと進んでいく。

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