矢野監督“ノーサイン、ノー指示”で紅白戦 超積極野球へ考えろ
「阪神秋季キャンプ」(10日、安芸)
阪神の矢野燿大監督(49)が今キャンプ初実戦となる11日の紅白戦に向けて、「考える野球」を浸透させる考えを明かした。“ノーサイン、ノー指示”ですべて選手の自主性に任せ、プレー後にその根拠を聞き取り、野球への理解度を深めさせる方針。「人にやらされてもオモロないやろ」と語り、矢野流の意識改革を実戦の中でも施していく。
初実戦で選手に“やらせる野球”はしない。サインもない、指示も出さない中で“考える野球”を浸透させる。例えば、初球のストレートを見逃した、その根拠とは-。矢野監督は「自分の中で考えて、どうやってやったかは聞きたいんだけど。頭ごなしに言うことはないから」と明かす。
求めるのは考える力、そして発想力。「どんどんチャレンジしてほしい」と指揮官が言うように、打席では狙い球を絞る、打球方向を決める。守備ではポジショニングを変え、ランナーに出れば一歩でも多くリードを広げるなど。個人で考えれば考えるほど、プレーの幅は広がる。
投手にしても「ファームの時から言ってたけど、『キャッチャーに投げさせられんなよ』って。だって自分が責任取るんだから、自分がボール持って自分が投げるんだから。で、自分のことは一番自分で分かってる部分も多いじゃん」と矢野監督。マウンドで感性を働かせ、自ら配球を考える。きちんとした意図、覚悟を持って投げれば間違いなく制球ミスなども少なくなるはずだ。
そういうチャレンジをした上で、矢野監督はその根拠を選手たちに聞いていく方針。その上で「そこで変化球、よう投げへんぞという初球の入り方かもしれないし。そうやな、あそこで変化球が来ると思ったわというケースで真っすぐが来ることもあるから」と“答え合わせ”をし、選手たちの野球脳を育んでいくのが狙いだ。
それも「その方が野球は楽しいやろ。人にやらされてもオモロないやろ」という思いがあるから-。やらされる野球ではなく、自らやる野球。その意識改革が、最下位からの巻き返しへ必要な要素と判断している。
「チャレンジをしないことが俺は選手の成長を一番、止めると思っているから。結果も出た方がいいけど、まずはチャレンジをしてほしい」と力を込めた矢野監督。これまでのイメージを覆すようなプレーが見たい。それは首脳陣だけでなく、ファンもきっと、猛虎の新たな一面が見られることを願っている。