金本監督、危機感1敗「そのうちでは絶対打てません」 また菅野にやられた

 「阪神0-2巨人」(20日、甲子園球場)

 2時間39分で完敗を喫した。阪神は巨人・菅野の前に打線が散発2安打で今季11度目の完封負け。CSファーストSで対戦する可能性がある右腕に手も足も出ず、粘り強く投げていた先発の秋山拓巳投手(26)を見殺しにした。残り11試合で、21日はマツダスタジアムでの広島戦。セ・リーグ王者を相手に仕切り直す。

 圧巻の敵のエースを前に、なすすべがない。沈黙の虎はこの日も六甲おろしを奏でられないまま、2安打完封負け。菅野攻略に向けて痛感するのは、日々の積み重ねの重要さ。金本監督は、落ち着いた口調で言葉を並べた。

 「今日試合に出てる選手は、ボールを見てるわけだから。あのスライダーがどうやったら見逃せるかとか、ストライクゾーンに来たらどうやって打つとか。あのツーシームをどうやって打つかとか。それを目標にしてやってほしいですね」

 ため息に包まれたゼロ行進。唯一、得点圏に走者を進めた三回2死二塁は糸井が投ゴロに倒れ、五回以降は1人の走者も出せないままゲームセットだ。これで菅野には今季1勝2敗で打率・213。通算でも20戦5勝10敗で、打率・237に。簡単に打てる投手ではないが、それで済ましてはいけない。

 「特に若い選手や中堅の選手は、こういうピッチャーを打つための練習というか、それを目標にしてやってほしいし」と金本監督。策は練っても、まず個々のレベルアップがあった上でのこと。巨人とはあと2試合あるだけでなく、CSに進出した場合も、菅野と対戦する可能性がある。

 福留は「いろいろな球種を持ってるし、しっかり絞っていかないといけない」と振り返った。経験豊富なベテランも、リベンジに向けて危機感を募らせる。金本監督も話すように、若手や中堅も強い意識を持って練習に取り組むことが必要だ。

 これで、甲子園では10日のDeNA戦を最後に5戦未勝利。「打てなかった、いいピッチャーだった、はい終わり、じゃなしに。それだったら成長がない。そのうち打てるだろう、では絶対に打てませんよ、こういうピッチャーは」。いつまでも同じではダメ。指揮官だけでなく、足を運んだファンも同じ思いのはずだ。

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