藤浪よ当てても気にするな ノムさん、虎の逆転日本一へ愛の緊急提言

 南海、ヤクルト、阪神、楽天で監督を務めた名将・野村克也氏(82)が、デイリースポーツの取材に応じ、CSで広島を倒して日本一を狙う阪神に提言を行った。悩める藤浪への助言、さらには捕手陣には相手を惑わす“奥の手”を伝授。金本監督の指導力にも太鼓判を押し、OB監督として愛情たっぷりのエールを送った。

 広島のリーグ2連覇は目前となった。ならば、阪神が目指すのはCSを勝ち抜いての日本一。その険しい道を切り開くため、必要不可欠となるのが藤浪の復活だろう。剛腕に再生法はあるのか。ノムさんは「考え方だと思う」と切り出した。

 右打者に死球を当ててから、崩れてしまうパターンの繰り返し。マウンド上で動揺した表情を見せる藤浪に対し、ノムさんは「藤浪に進言したい。当てても気にするな」と、鋭く言い放った。

 続けて、投手として持つべき心構えを説いた。「ピッチャーは地球が自分中心に回ってると思うくらい、自己中心的でいい。先輩にもおるやろ、江夏というのが。大リーグに行った上原も言っていた。外角を生かすために内角はどうしても必要。『当てたらごめん、と思って投げています』と」。理論派のノムさんだからこそ貴重な精神論。藤浪の内面に渦巻く邪念を消し去ることが、復活への近道かもしれない。

 また、CS進出を決めることが大前提になるが、逆転日本一へのカギとして「捕手の固定」も掲げた。8月下旬から坂本がスタメンに定着しつつあるが、固定し続けることが重要だと力説。打者との駆け引きがより必要になる短期決戦に向けて「記憶、推理、判断。相手打者と、受ける投手の能力。捕手はこの関係を理解し、相手を攻略していかないと」と、助言した。

 正攻法で勝てなければ、どんな手段でも使うのが野村流。「配球でだまし、口でもだます。バッティングで大事な集中力を乱す手段はないか、と思ってやったのがささやき戦術だよ」。現役時代はマスク越しに「最近、銀座行ってんの?」などと、打者にささやいていた。相手を封じる“奥の手”も伝授した。

 指揮を執った阪神では3年連続の最下位。自身の経験から「阪神は怖い監督がいい。だから、金本は合っているんじゃないか」と、現体制に太鼓判を押した。「(自分は)阪神に行ったのは大失敗だった」とぼやきつつ、最後はメガホンを手に「3年間お世話になりました。陰ながら応援しています」と、古巣への愛をにじませた。

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