糸井、同点打に特大10号 阪神ロード勝ち越し、24日にも自力V復活!

 「ヤクルト4-7阪神」(23日、神宮球場)

 超人が負の流れを断ち切った。阪神・糸井嘉男外野手(36)が三回、岩田の送りバント失敗を帳消しにする同点適時打。五回には右越えに特大の10号ソロを放ち、サヨナラ負けを喫した前夜の悪夢も振り払った。4試合を残してロード勝ち越しも決定。再進撃開始や。

 三塁スタンドを眺めながら、糸井はニヤッと笑った。勝者にのみ注がれる大歓声。「ありがとう」「最高や」。全身に浴びながら、ゆっくりと歩いた。「勝ってよかった」。乱打戦となった試合後、思わず言葉が漏れる。本塁打を含む2打点。いずれも殊勲の一打だ。

 2点リードの五回。先頭で打席に立った。ヤクルトの先発・原樹に対して初球、129キロのスライダーをフルスイングした。重力を忘れた打球は、突き刺さるように右翼席中段へ。18日の中日戦以来、4戦ぶりの一発でKOだ。

 「振り抜けてよかったです。いい感触で捉えられました」

 今季10号。オリックス時代の2013年から5年連続の2桁本塁打に到達だ。衝撃アーチの前には傾いた流れを止めた。1点ビハインドの三回。北條、坂本の連打で無死一、二塁。続く岩田が犠打を試みたが、スリーバントを失敗した。ため息と怒声が交じる打席に糸井が立った。

 6月9日・ソフトバンク戦以来の1番出場。1-1から3球目、内角のスライダーを流し打ちした。打球が詰まりながら三遊間を抜けると、二走・北條が懸命の走塁で一気に生還。同点のホームを踏んだ。「1番打者に長打がありますから」と金本監督。右脇腹筋挫傷から復帰後、チームは5勝1敗。FA砲に最敬礼の1日となった。

 万全の状態に整えた復帰だが、患部にはまだ一抹の不安が残る。「怖さはあるけどね」。当初は、完治まで1カ月以上を要する診断。だが、本気で最短復帰にこだわった。懸命のリハビリ中には、チームの勝敗を気にする毎日。敗戦を知ると、「明日勝てばいいやろ」と語気を強めた。勝つために阪神に来た。

 20日には復帰後初めて二盗を決め、この日はフルスイングでチームを鼓舞した。指揮官の言葉が耳に残る。「優勝するために、力になってほしい」。勝つために移籍を決断した。手負いでも、使命感で打席に立っている。

 前夜のサヨナラ負けを振り払い、傾きかけた流れを止めた一打。一振りで2つの負の流れを止めた。今夏のロードは14勝8敗1分けで、4試合を残して13年から5年連続勝ち越しが決定。24日に阪神が勝って、広島が負ければ自力優勝が復活する。まだ終わらない。超人のバットと共に奇跡のロードを突き進む。

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