中谷 前日の守備ミス取り返す逆転3ラン 「勝てたことが一番」

 「阪神10-3DeNA」(27日、甲子園球場)

 阪神が同率2位に再浮上した。2点を追う四回、中谷将大外野手(24)が左中間へ逆転3ランを放った。八回には大山悠輔内野手(22)が2ラン。前日の外野守備で左中間への飛球を“お見合い”した2人が、ど派手にミスを取り返した。きょう28日から始まる長期ロードへ、勢いを呼び込む逆転勝利だ。

 希望を乗せた打球が、ウルトライエローに染まる左翼席に突き刺さった。0-2の四回1死一、二塁。中谷が、沈滞ムードを振り払う値千金の逆転3ランを放った。「勝てたことが一番です」。岩田を、虎を救ったチームトップの11号。雨にぬれた聖地は、大活躍のヒーローを称えた。

 金本監督も「ホームランバッターが打つようなホームランらしいホームラン」と絶賛する一撃だ。八回にも中前へ運び、打率・261とアベレージも上がってきた。「もっと打てるように頑張ります」。結果を残し、目指すはレギュラーへの道。昨年とは違う背番号60が、未来を照らす。

 「日々切り替えながらやっているので、今日はいい結果が残せて良かったです」

 八回から中堅の守備に就いた前日は、試合の行方を左右する連係ミスを犯した。左中間への飛球を左翼・大山とお見合いし、結果的に適時二塁打としてしまった。レギュラーを奪うため、その道は険しい。ただ、諦めなければ夢への扉は開ける。中谷が進化すれば、阪神も変わる。

 自己最多64試合に出場し、激動の1年を駆け抜けた昨シーズン。オフの時間を利用して、1学年先輩の梅野と恩師の元を訪ねた。福岡工大城東時代の監督で、現在は東海大福岡の野球部で指揮を執る杉山繁俊監督(60)。今回は恩返しの気持ちを形にして伝えようと、2人で決めていた。

 「僕たちで、選手たちにプレゼントを作りたいと考えています」

 同年秋の九州大会で準優勝を果たし、翌年の春の甲子園を確実にしていた東海大福岡。夢へ突き進む恩師の教え子たちに、ネーム入りのフリースを70着贈った。将来を担う野球少年たちに、「頑張れ」-と伝えたかった。

 同時に、勝負の17年シーズンへ挑む自身の心も奮い立つ。「素直な心を忘れるな」。杉山監督の言葉が染み渡る。純粋に白球を追っていた青春の記憶をたどり、かけがえのない野球への思いを再確認。「頑張れよ!」。故郷の風を受け、勝負の1年へ覚悟を決めた。

今季8度目   2桁得点

 チームは今季8度目の2桁得点で、同率2位に再浮上した。中谷が、大山が、高山が快音を奏でた長期ロード前の最終戦。魂を込めた一つ一つのプレーが、逆襲の夏を熱くする。

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