球児 サヨナラ呼んだイニングまたぎ0封 「当たり前のことをしっかり」
「阪神5-4ヤクルト」(6日、京セラドーム大阪)
相手にリードを許さなかった。六回途中からバトンをつないだ阪神の救援陣が、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。「イヤなムードの中をよく投げてくれた。中継ぎ投手は言うことないですね」と金本監督は目を細める。
中でもイニングまたぎで延長十、十一回を無失点に抑えた藤川には「本当に昔の藤川球児を思い出すような、フライアウトも多かったですし。さすがでした」と手放しで絶賛。延長十回こそ2死二塁のピンチを招いたが、力で大引を押し込み、中飛に仕留めた。
続く十一回は山田、バレンティンも直球で打ち上げさせ、三者凡退。勝利投手になったことで通算155ホールドポイントとなり、ウィリアムスが持っていた球団記録を更新した。今季初白星も「もう終わったんでまた明日」と背番号22が言う中で、こだわりを見せたプレーがある。
十回に上田が放った一、二塁間への痛烈な打球を原口がダイビングキャッチ。素早くベースカバーへ走っていた藤川にトスし、アウトを重ねた。少しでも遅れればセーフのタイミング。「自分らしいと思ったベースカバー」と球児は明かす。
「当たり前のことをしっかり」と力を込めたベテラン右腕。高橋、桑原、松田、マテオ、ドリス-。ゼロで抑える“当たり前”を積み重ねた救援陣が、大きな1勝を呼び込んだ。