藤浪、自己最多161球で自己最多8失点「悔しい、腹立つ、情けない」

 「阪神2-8広島」(8日、甲子園球場)

 雨に濡れたユニホームが鉛のように重い。何度も肩で息をした。疲れの色がはっきりと見えていた。七回を終えて131球。それでも阪神・藤浪は八回のマウンドへ。「ピッチングコーチから『体大丈夫か』と聞かれて、全然大丈夫だったんで『いきます』と」。結果的に自己最多の161球で、自己最多の8失点。すべては初回だった。

 「いきなり先頭フォアボールで、一番良くないというかやってはいけない形で先制点を献上して、良くない形だったかと思います」

 悔やんだのは、プレーボール直後の場面。先頭で迎えた田中にフルカウントからの8球目を見逃されて四球に。そこから二塁打と四球が絡み、1死満塁からの松山こそ空振り三振に仕留めたが、ここで踏ん張れない。続く鈴木に、左前2点打を許してしまった。

 「2アウトまでいったので何とかゼロで抑えたいと思いましたけど、やっぱりちょっと甘くなりましたね。自分の弱さだと思いますし、ここ一番で踏ん張れてない。勝ちにつながらない、初回からああいうピッチングをしてたら勝ちにつながらないと思います」

 これで今季登板15試合で、初回失点は8試合目で計13失点となった。前夜、チームは巨人に快勝。前回3連戦3連敗を喫した広島相手のリベンジに勢いが付く白星だったが、断ち切れない右腕の悪循環が重く響いた。

 さらに初回だけでなく、二回は田中にソロ弾を許し、三回にも1点を追加された。四回から七回までは無失点に抑えたものの、八回には通算92試合目の登板で自身初のボークも記録し、2死満塁から岩本に許した3点適時三塁打で点差は6点に。勝負は決まった。

 6月2日の楽天戦以来勝ち星はなく、前半戦はこれで4勝5敗。「(ここまで)悔しいですし、自分自身に腹が立ちますし、情けないというかそういう気持ちしかないですね」。今の結果と自分の弱さ。認めた上で、この日の161球をどう感じて進むのか。後半戦、マウンドで答えを出していくしかない。

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