鳥谷も超変革 スピード&パワーアップ

 “超スピード”で完全復活や!阪神・鳥谷敬内野手(34)が25日、甲子園室内練習場で自主トレを公開。金本知憲監督(47)からの「20本塁打、30盗塁」指令に応えるため、肉体とプレースタイルの「超変革」を目指していることを明かした。例年にはない短距離ダッシュなどスプリント中心のトレーニングに励み、体重も増量してパワーアップ。背番号1の闘志は燃え上がっている。

 13年目の春を前に、鳥谷の心技体は充実そのものだ。昨季のふがいない成績が自身の目指す「超変革」の原動力。今オフは指揮官から指令を受けた「体重増」に加え、スピード面の強化も実施。気温3度、極寒の甲子園に新たな挑戦を始める背番号1の姿があった。

 「年齢も今年で35になりますし、スピードというのを上げていきたいなということで、自主トレからダッシュ系を多くやってきました。ここ数年の中で、一番いい状態でキャンプインできるんじゃないかと思います」

 金本監督は正月、本紙に寄せた手記で鳥谷に強烈なゲキを飛ばしていた。「20本以上本塁打を打って30盗塁する」。昨季は打率・281、9盗塁、6本塁打だった。「物足りなさ過ぎる」-。厳しい言葉は、鳥谷の頭を離れることはなかった。

 年明けに向かったのは海の向こう、ハワイ。例年、1月は沖縄でロッテ・井口らと合同自主トレを行い、キャンプインに備える。だが、今年は沖縄へ行く前に常夏の南の島へと足を運んだ。短距離ダッシュなど、スプリントトレーニングに励むためだ。温暖な気候のもとで調整を進め、「スピード重視」のボディーをつくり上げた。

 食事面での栄養管理を徹底しながらウエートトレーニングなども行い、体重増にも成功。昨シーズン終了時の82キロからの微増ではあるが、手応えも感じている。

 本塁打の最高は09年の20本で、盗塁は11年の16。指揮官が設けたハードルは高いが「しっかり走れる状態で、サインを待てる状態で今のところはキャンプインできるかな」と、特に走ることに関しての仕上がりは良好。まだ見ぬ頂へ挑戦する準備は整っている。

 金本監督からの言葉を胸に、今オフを過ごしてきたチームキャプテン。「自分が目標にしていた先輩でもあるので、そういう意味で胴上げできたらなと思います」。鉄人の35歳シーズンは広島から阪神へ移籍した03年。打率・289、18盗塁、19本塁打で18年ぶりのリーグ優勝に貢献した。指揮官の期待をグラウンドの上で実践し、新生猛虎を一つに束ねる。その役を担うのは、鳥谷しかいない

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