すっきり和田監督“東京切符”譲らん

 阪神・和田豊監督(52)が10日、甲子園球場で坂井信也オーナー(66)から来季の続投を要請され、快諾した。契約期間は未定。4年目に突入することが決定した指揮官は11日から始まる広島との決戦に向け、球団史上初となるCSファーストS突破に意欲をみなぎらせた。

 昨年のリベンジマッチ。本拠地で迎え撃つ赤い軍団との真っ向勝負。全体練習前に坂井オーナーから要請された来季続投の打診。リーグ優勝奪回に燃える和田監督は即座に快諾。球団史上初のCSファーストS突破への気持ちを新たにした。

 和田監督「覚悟を持って臨んだシーズン。優勝を逃した責任は感じてる。お話を頂いてもう一度という気持ちになってるし、来年必ず優勝してくれという言葉を頂いた。ただ、目の前にやるべきことがある。集中してゲームに臨みたい」

 契約延長の要請を受諾し、10年ぶりのリーグ優勝を狙う来季への意欲はさらに高まった。ただ、その前に今季も煮え湯を飲まされた巨人を倒す好機がある。その挑戦権を勝ち取るため、昨年はまさかの連敗を喫した広島を撃退する。

 「無の境地。重いものはない。まっさらな気持ち。広島への嫌なイメージはない」と偽らざる胸中を吐露した前日会見。ただ、脳裏には昨年の悪夢がこびりついている。倒す以外に悪夢を消す道はない。

 1日の今季最終戦から9日あった準備期間。「シーズンの疲れを取りながら、9日間で実戦を含めてやるべき準備はしっかりやれた」。不安はない。各選手の状態は上向き。今はどんなパフォーマンスを繰り広げてくれるかという楽しみ、期待感の方が大きい。

 短期決戦を制するカギには初回の攻防を挙げた。「まず一回表を抑えて、ゼロで帰ってくること。その裏に先取点を取れるかどうか」。流れを呼び、試合を優勢に運ぶためのポイント。必ずや奪ってみせる。

 この舞台で死ぬわけにはいかない。「絶対に勝ち越して、次のステップに臨めるように」。宿敵を倒すまで、生き延びる。運命をかけた戦いが始まる。

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