阪神・藤井彰人捕手（３８）がＣＳ初戦のスタメンマスクを任されることが９日、分かった。

　頂点への道を切り開くＣＳ開幕戦のバッテリーはメッセンジャーと藤井が組むことになった。ルーキーの梅野が重責を担う案も検討されたが、甲子園での練習を見守った黒田ヘッドコーチは藤井先発の可能性を問われ、「それも考えとる」。複数のチーム関係者の話では、３８歳のベテランに託すことで、和田監督ら首脳陣の最終判断が一致したようだ。

　この日、ブルペンでメッセンジャーと相対した藤井は「メッセの球を受けた？それは関係ないですよ。キャッチャーが（ほかに）いなかったんでね。試合に出られたら頑張ります。頑張りましょう」と明言を避け、足早にクラブハウスへ引き揚げた。

　７月末に右肘痛で出場選手登録を抹消された藤井が１軍の戦列に復帰したのは、９月２３日のＤｅＮＡ戦。２軍調整中は遠征に帯同せず、実戦不足は否めなかったが、和田監督はポストシーズンを見据え招集を決めた。

　「初戦を取ればアドバンテージになる」と指揮官。準備期間はわずかでも、その経験値と存在が安心感につながる。藤井の熟練リードにファーストＳ突破の命運が託された。