上本1番で3安打!西岡の穴埋めた

 「阪神7‐4中日」(3日、京セラ)

 阪神が2試合連続の2桁安打で今季初の連勝と、初のカード勝ち越しを決めた。1番・二塁で先発出場した上本博紀内野手(27)が3安打に今季チーム初盗塁を決める活躍。西岡剛内野手(29)が試合中のけがで離脱しているが、その穴をしっかりと埋めた。勝率を5割に戻し、ここから再スタートだ。

 とにかく必死だった。何が何でも出塁する‐。打席に立つ上本には、その思いしかなかった。追い込まれようが、厳しいコースだろうが、懸命にバットを伸ばし、ライト前に落とした3本の安打。西岡不在の危機をカバーした選手会長に、ある“変化”が生まれていた。

 二回2死で迎えた第2打席、追い込まれながらも外角低めの厳しいコースを右前にはじき返した。続く三回の第3打席も、同じように右方向へクリーンヒットを放った。

 投手が若松に代わった五回の第4打席も、ライト前へ完璧に運び今季初の3安打猛打賞。「追い込まれていたときは逆方向を意識した。とにかく出塁したかった」と冷静に振り返った。八回の四球も含めると、4度の出塁でチャンスメーク。和田監督は「もっともっとできる選手だけど、クセ者っぽいところが出てきた。きょうの試合は1番として申し分ない」と目を細める。

 オープン戦では不振にあえぎ、西岡が離脱してチャンスが巡ってきても精彩を欠いた。2日の中日戦、打席の中である“決断”をした。バットを一握り分、短く持ちコンパクトなスイングに変えた。そして七回に中前打を放った。

 その一打を反すうするように、この日の打撃練習でもセンターから逆方向へ何度も打ち返した。彼の持ち味は、甲子園のバックスクリーンに放り込めるほどのパンチ力だった。プロ入り直後、体が小さいというだけで右打ちなど2番打者の役割を求められ、打撃の形を失った苦い記憶。だからこそ上本はフルスイングを貫いていた。

 そんな“こだわり”を捨て、バットを短く持ち変えた。徹底して逆方向も意識した。「まだ1日なんで何とも言えない。バランスを考えながら続けていきたい」と明かしたが、変化を恐れない姿勢が3本の安打を生んだのは間違いない。

 「西岡さんを良い状態で迎えられるように」とお立ち台で誓った上本。結果を残し、不動のチームリーダーを“ライバル”と呼べる日が来れば‐。確実に、和田阪神は強さを増す。

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