呉昇桓、抑え革命や!6連投も任せろ

 背番号22のユニホームに袖を通し帽子をかぶる呉昇桓=ソウル市内のホテル(撮影・棚橋慶太)
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 阪神に加入が決まった呉昇桓(オ・スンファン)投手(31)=前韓国・サムスン=が4日、韓国・ソウル市内のホテルで契約調印式に臨んだ。契約金1億円、年俸3億円プラス出来高払いの2年契約で、背番号は「22」。右腕は日韓合わせて120人の報道陣、12台のテレビカメラの前でイニングまたぎ、1週間6連投も辞さない考えを明かした。日本球界の常識を覆し、最優秀救援投手のタイトルを目指すことを誓った。

 表情をピクリとも変えなかった。日韓合わせて約120人の報道陣が詰めかけた会見場。前だけを見つめ、力強いコメントを残す呉昇桓には確かな雰囲気が漂っていた。タテジマに袖を通した韓国球界No.1クローザー。語気を強めたのは、日本球界の常識を覆す自身のスタイルについて言及した時だ。

 「日本やアメリカでは、抑え投手は1イニングしか行かないという話ですが、何イニング投げても構わない。抑えることが自分の仕事ですから」

 救援投手にとって、イニングまたぎは大きな負担となる。具体例として、2010年に藤川が序盤からイニングをまたいでの起用が続き、終盤に調子を崩した。わずか1勝差で中日にリーグ優勝をさらわれ、V逸の原因として物議をかもした。

 近年では長いペナントレースを戦い抜くため、序盤は1イニング限定の起用がクローザーの常識。イニングまたぎは、優勝争い真っただ中の最終盤になってからだ。だが呉昇桓は平然とその現実を吹き飛ばす。

 「過去に最大で4イニング投げたこともあるし、それ以上も行ける。抑えはチームから必要とされるときにマウンドへ行く。1週間で6ゲームあるとすれば、全部、行けるように準備する」。求められれば、2イニングも6連投も辞さない‐。言葉の端々からにじむ勝利への欲求、抑え投手としてのプライド。報道陣をのみ込んでいくような圧倒的な語り口に、同席した中村GMも「日本球界の常識を覆してくれそうな感じがする」と驚きを隠さない。

 「セーブ王のタイトルを取ればチームが良い成績になる。個人タイトルに欲を出したい」と宣言した呉昇桓。同じ背番号22でかつての守護神・藤川と比較されることも「その選手なりに特徴もあるし、自分にも特徴がある」と意に介さない。1時間超の会見で、一瞬たりとも緩んだ空気を出さなかった虎の新守護神。その圧倒的なオーラは相手を消沈させ、聖地の空気を無言で変えられるだけの力がある。

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