曙、北の湖部屋を弔問「寂しい」

 元横綱でプロレスラーの曙太郎(46)が24日、大相撲九州場所13日目の20日に62歳で急逝した日本相撲協会の北の湖理事長(元横綱)の遺体が安置されている東京都江東区の北の湖部屋を弔問した。現役時代にお世話になった感謝を語り、「寂しい」と目を伏せた。親交のあった野球評論家の張本勲氏(75)も弔問した。

 1993年1月場所後に史上初の外国人横綱(第64代)となった曙が、大先輩でもある北の湖理事長の急死を受け、北の湖部屋を弔問した。最後に会ったのは1年ほど前と話し、恩人の遺体と対面した後、「寂しい」と言葉を絞り出した。

 「現役の時からいろいろお世話になった。先輩横綱だし、まねをしたい人だった」

 曙は2001年1月場所限りで引退。深い感謝を語ったのは、親方だった03年に格闘家転向のため相撲協会を退職する際のことだ。「なかなか切り出せなかった時に『何も隠すな、正直に言ってくれ』と言ってくれた」と声を詰まらせた。

 退職届は記者会見まで理事長の胸の内ポケットにあったという。曙は、その時の言葉を思い返した。

 「気持ちが変わったら、すぐに電話してこい。なかったことにする。他の道に行くなら精いっぱい頑張れ」。心の広さに感銘を受けた。数年後の再会時にも「温かく迎えてくれた。うれしかった」としのんだ。

 また、野球評論家の張本勲氏も弔問。「ありがとう。ごくろうさまと声を掛けました」と述べた。

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