王会長「残念」名横綱の悲報にショック

 史上最多の幕内優勝32回を誇る元横綱大鵬の納谷幸喜(なや・こうき)氏が19日午後3時15分、心室頻拍のため都内の病院で死去した。72歳だった。「巨人・大鵬・卵焼き」と呼ばれた当時、巨人の象徴的存在だったONも、名横綱の悲報にショックを隠せなかった。巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(76)は19日、球団を通じて哀悼のコメントを発表。同い年でもあるソフトバンク・王貞治会長(72)は都内で会見し、知られざるプライベートでの思い出を振り返りながら故人をしのんだ。

 “盟友”の悲報に、表情を曇らせた。王会長は東京・帝国ホテルで行われた歌手・郷ひろみの結婚披露宴に出席中、一報を聞いた。入院していることも知らされておらず「ああ、と思った。突然なんで、びっくりした」と、ショックを隠せなかった。

 互いに昭和のスポーツ界をけん引したスーパースター。「大鵬さんが関取になったのと、僕が打てるようになったのがちょうど同じくらいだったかな」。同時期に頭角を現し、超一流への階段を駆け上がった。

 雑誌などの企画で幾度も対談し、プライベートでも親交があった。現役時代の思い出として挙げたのは、ともに通う接骨院の正月の会合で顔を合わせた時のこと。「大きな金杯でね、(酒を)酌み交わして。みんな酔っぱらってね。帰りに僕の家でも新年会をやっていたので寄ってもらって、両方とも寝ちゃったこともあった」。最後に会ったのは「2年ほど前」だったという。

 「巨人・大鵬・卵焼き」という言葉で語り継がれる伝説の名横綱。「巨人は一人じゃないけど、あの人は一人だからね。日本の歴史のなかで名を残した人。残念だね」。時代の流れに、さみしげな表情を浮かべた。

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