18年前の震災当日に誕生の照強が白星

 「大相撲初場所5日目」(17日、両国国技館)

 阪神・淡路大震災が発生した1995年1月17日に、激震に襲われた兵庫県の淡路島で生まれた西幕下56枚目照強=てるつよし(18)=伊勢ケ浜=が、大湊を送り出して3連勝を飾った。昨年に続く特別な日の白星。被災地の希望の星となるべく精進を続ける。なお、横綱日馬富士は豊響を上手出し投げで下して上位陣で唯一人の5連勝。横綱白鵬は小結栃煌山を寄り切りで退け、1敗をキープした。

 震災発生から約14時間後、淡路島で生を受けた。大湊に勝って3連勝とした照強が、初の幕下勝ち越しに王手をかけた。「意味のある日に生まれて、その日に勝てば、みんなに届けてもらえる。自分みたいな人がいると知ってもらいたい」。特別な日に勝利し、その重みをかみしめた。

 先にまわしを許す苦しい展開。大湊のまわしに手が届かないまま、2度土俵際まで押しこんだがねばられた。お互い頭を付けてしばらくにらみ合った後、うまく相手の上体を起こすと、後ろまわしをつかんで送り出し。1分20秒の熱戦に終止符を打った。

 自身の体調とも闘っていた。「かぜをひいた。のどが腫れて、2日でおにぎりを3個くらいしか食べてない」と息も絶え絶え。3日前に39・8度あった熱は、この日朝までに37・8度まで下がったが「普段はこんなに汗をかかない」と苦しそうに話した。

 東三段目6枚目だった昨年から、わずかだが番付を上げた。「来年は、まずは幕下上位。20歳までには関取になりたい」と入門当初の夢は変わらぬままだ。体重は昨年と比べて4キロ増。「前に出る力を付けたい。まずは125キロですね」と増量プランも明かした。

 混乱の中で産んでくれた母からは、寝ている間に「誕生日おめでとう」とメールが来たという。被災地の“希望の星”は、自身の夢に向かって精進を続けるとともに、多くの人に希望を与える。

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