小惑星で採取の岩石、大気で変質 数週間で、研究チームが分析結果
探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウで採取して2020年に地球に届けた岩石試料を地球の大気にさらしたところ、数週間で大きく変質したという分析結果を、広島大などのチームが5日までに英科学誌に発表した。これまで地球に飛来した隕石の研究から変質が起きるのは知られていたが、大気に触れ始めた段階から観察できた研究は貴重だという。
リュウグウの試料は太陽系ができた過程を探る手がかりとして世界中で分析されている。小惑星と大きく異なる地球の環境では輸送や分析の過程で成分が変わる恐れがあるが、詳細は分かっていなかった。
チームは、試料を地球の大気にさらし、数カ月間の変化を観察した。すると、成分のうち鉄や硫酸からなる「磁硫鉄鉱」の表面が酸素と反応して溶け始め、磁硫鉄鉱の周囲にある鉱物の構造が不安定になったり、有機物に気泡ができたりするなど変質が進んだ。
反応が進む速さを分析した宮原正明・広島大准教授(隕石学)は「変質は大気に触れてすぐ始まり、数週間のうちに大きく変わった」とみる。
