「司法面接」本格導入から10年 22年度2722件、実施9倍に
虐待や性暴力を受けた子どもに対し、心理的負担を軽減し被害実態を正確に把握するため警察や検察、児童相談所が連携して代表者が聞き取りをする「司法面接」が今年、本格導入から10年を迎えた。法務省によると、年間の実施件数は導入後の2016年度の306件から、最新の統計となる22年度には2722件と約9倍に増加し、取り組みは着実に広がっている。
司法面接の記録は刑事裁判で「伝聞証拠」としても使えるが、当初は被告側の同意がなければ証拠採用されず、子どもの証人尋問などが必要だった。23年に刑事訴訟法が改正され、一定の条件を満たせば被告側の同意がなくても面接の録音録画媒体を証拠採用できるようになり、事件の実態解明につながるとの期待も高まっている。
司法面接は子どもの証言が誘導され、冤罪事件が相次いだことをきっかけに1990年代初頭、英国などで始まった。暗示や誘導を避け、自発的な発言を促す手法を用いる。日本では2015年10月に厚生労働省が代表者による面接を求める通知を都道府県などに出し本格導入された。
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