今年で最後…東京の老舗和菓子店、50年以上のロングセラー商品販売終了へ 「えええ、さみしい」「夏の定番でした」ショック広がる
老舗和菓子店「榮太樓總本鋪」(本社、東京都中央区)はこのほど、缶入り水羊羹の販売を今年で終了すると発表しました。50年以上のロングセラー商品だっただけに、ネット上では「さみしい」「悲しいです」「夏の定番おやつでした」など驚きの声が広がっています。同社担当者に終売の理由を聞きました。
■国内製造のオリジナル缶 波紋のデザインも評判に
缶入り水羊羹は1968(昭和43)年7月発売。夏場は和菓子の売れ行きが落ち込むため、夏の新定番にしようと企画されました。同社の夏季限定生菓子「切水羊羹」の味を再現し、期待通りにお中元の人気商品に成長。1974(昭和49)年には累計売り上げ個数957万個を記録しました。
ちょうどこの頃、容器を同社オリジナルの缶に変更しました。発売当初はアメリカから輸入したプルトップ式の缶容器でしたが、国内製造のオリジナル缶を開発。競合他社と差別化を図るため、缶底には水の波紋をデザイン。皿に盛り付けると波紋柄が現れ、涼しげで風情があると評判になりました。
「小豆」「小倉」「葛櫻」「黒糖」など、味の種類を増やしながら展開してきましたが、時代の流れとともにお中元が縮小傾向に。食品容器もプラスチックが主流となり、売れ行きにも影響が出始めました。
「お中元の衰退とともに、水羊羹の主流がプラスチックに移行しはじめ、缶入りの水羊羹の販売数は年々落ちていました。缶メーカーでは汎用型の缶を売り込み、効率よく大量生産する動きがあり、弊社のオリジナル缶は一定の大きなロットでないと生産が出来なくなってしまいました。ロットも全盛期よりも減ってしまったため、続けるのが難しい状況になりました。缶メーカーからは、波紋柄のない汎用缶も推奨されましたが、当社は波紋入りにこだわり続けてきたので、缶入り自体を終了することにしました」(同社担当者)
■終売の知らせにファンは…「残念」「子供の頃から大好きでした」
終売を決断した同社では今春、公式サイトを通じて告知。長年の感謝の思いも伝えました。6月中旬には公式Xアカウントに「実は、今年で販売終了です」と投稿すると、情報が拡散。表示回数は99万、いいねの数は1万を超える反響がありました。
ファンからは「えええ、さみしい」「悲しいです」「残念です」「子供の頃から大好きでした」「夏休みの定番おやつでした」「冷蔵庫にいつも入っていました」「缶のふたを開けるときの音が好きでした」「お中元で届くとうれしかった」など、悲しみの声や思い出話が多数寄せられました。
中には「来年からどうすれば」「缶入りじゃなくなるだけですか?」「水羊羹をやめてしまうのですか?」といった不安の声も。
同社ではすでに後継商品を投入。ひと口サイズの細長い袋に入った「ひとくち水羊羹」(7本入・税込み1598円)。風味や食感にも自信を見せます。
「缶入りと袋入りでは口当たりが異なり、袋入りの方が豆の味わいはそのままに、水羊羹らしいなめらかな口当たりに仕立てることができました。手を汚さず、洗い物も出なくなり、水の節約にもなり、ゴミも少ない。缶入りは重量が重いですが、袋入りだと軽い。環境にもやさしく、今の時代に適していると判断しました」(同社担当者)
◇
榮太樓總本鋪は文政元年(1818年)創業。看板商品は「榮太樓飴」。「水羊羹詰合せ 缶入り」(12個入り、税込み4320円)や「ひとくち水羊羹」は、同社オンラインショップで取り扱い中。缶入り商品は在庫がなくなり次第、販売終了。
(まいどなニュース・金井 かおる)
