タルトはなぜきれいに切れない… 家でも美しくカットするコツとは 専門店キルフェボンに聞いた
フルーツがたっぷり盛られた華やかなタルト。誕生日や手土産として人気が高い一方で、「切った瞬間に崩れた」「フルーツが滑った」「断面がぐちゃっとなった」という失敗談はよく聞きます。
とくにフルーツタルトは、土台のタルト生地が硬めなうえ、クリームやフルーツが立体的に盛られているため、一般的なケーキより切り分けが難しいスイーツともいわれています。そこで今回は、全国12店舗を展開し、季節によって収穫される旬のフルーツを使ったタルト専門店キルフェボンに、タルトをきれいにカットするコツについて聞きました。
■タルトをきれいに切る最大のコツは「ナイフを温めること」
Q. 家庭でタルトをきれいに切るコツを教えてください。
A. ナイフとケーキサーバーを温めてからカットすると、断面がきれいになりやすいです。刃を温めることで、クリームやフルーツをなめらかに切れ、生地の割れも防ぐことができるからです。お店ではたくさんのタルトをカットするため、保温性の高い二重構造のステンレス製容器の中に50℃前後のお湯を入れて、その容器の中であらかじめ温めておき、カットするたびに容器にナイフを戻し、こまめにナイフの汚れも拭き取ります。ご家庭でカットするときは保温性の高いボウルや深めの容器でも代用できます。チョコレートのタルトの場合は溶けてしまいそうですが、同じ温度で問題ございません。
Q. タルトをきれいにカットするのには、どのようなナイフが向いていますか?
A. お店では刃渡りが長めで、波刃ではなく、まっすぐな刃のステンレスナイフを使用しています。よく切れることが大事です。
■プロはどう切る? タルト専門店が実践するカット技術
Q. ケーキサーバーはどのように使っていますか?
A. カットしたタルトを持ち上げるときに使用する以外に、カットするときにタルトがズレないようタルトの側面を押さえるのにも使っています。
Q. お店で使用しているタルトの型にはどんな特徴がありますか?
A. キルフェボンオリジナルのタルト型を使用しています。特殊なものとしては、星型、花輪型、金平糖型、朝顔型、王冠型、ツリー型、ハート型などあります。花びらの形の輪花型のタルトは、外周のくぼんでいる部分に向けてカットを入れると、ひとかけらが美しいひし形になり、見た目のバランスが整います。タルト型のサイズは25cm、21cm、15cm、13cmなど豊富に用意しています。たとえば25cmのホールでは最大20ピースにカットできます。
Q. タルトはどのような方向に切ればいいですか?
A. ナイフの先端をタルトの中心(軸)に固定し、そこを起点として垂直に押し下げるように切るのが正解です。フルーツがのっているタルトの場合は、まずフルーツ部分だけにナイフを入れます。フルーツが切れたら、次にタルト生地を中心からざくっと切り分けます。
Q. 均等のサイズに切るコツはありますか?
A. お店ではタルト外周の溝を数えながらカットしています。溝の数は非公開ですが、この数を元に計算すれば、目測よりも正確にカットできます。
■プロでも難しいのが薄切りフルーツやクリームたっぷりのタルト
Q. お店のスタッフでもカットが難しいタルトの特徴を教えてください。
A. 特に難しいのは、薄くスライスしたフルーツを何層にも重ねたタルトと、クリームをたっぷり使ったタルトです。フルーツを重ねたものは層がずれやすいため、温めたナイフでフルーツ部分をゆっくり切り分け、次にタルト生地を切ります。
一方、クリームが多いものはナイフに付着して崩れやすいため、温めたナイフをしっかり入れ、引き抜くときはゆっくり丁寧に抜くのがコツです。
キルフェボンではホールで持ち帰る場合は、店舗でカットをお願いするか、ホールのまま持ち帰るかは購入時に選べるとのことです。カットは無料サービスで、旗艦店のグランメゾン銀座店では、ホール購入者の約2割がカットをお願いするそうです。キルフェボンによると、ナイフとケーキサーバーを温めることや、フルーツ部分とタルト生地を分けて切ることが、美しい断面を作るポイントだといいます。ホールで購入する機会があれば試してみるのもよさそうです。
(まいどなニュース特約・鈴木 博之)
