遺品整理の現場で残された猫を会社で保護→スタッフ全員が猫好きに!? 笑顔と癒やしを与えてくれた4年間の軌跡

「高齢女性がお住まいだった現場の遺品整理に入ったところ、そのおばあちゃんに飼われていた1匹の猫が残されていました。ご家族も引き取ることができず困っているとのこと。作業を進める中で、おばあちゃんがいた場所から離れようとしない姿を見て『何とかできないか』とスタッフで相談し、全員一致で会社で保護することになりました」

2026年3月、Threadsに投稿された内容が、多くの人の心を揺さぶりました。投稿したのは、遺品整理などの会社を経営する株式会社OSセンター代表取締役のミヤモトナオキさん(@nadeshoulder)。

仕事先で出会ったキジ白の女の子「ちーちゃん」は、当時、推定8歳でした。

■遺品整理の現場で出会った1匹の猫

2020年3月、ミヤモトさんは依頼を受け、亡くなられた高齢女性の家を訪れました。

「ちーちゃんという名前は、おばあちゃんが呼んでいた名前です。預かり手がなく困っていると聞きました。作業を進める中で、おばあちゃんがいたその場から離れようとしない健気な姿に、いたたまれなくなったんです」

ミヤモトさんは、それまで実家で犬と暮らしたことはありましたが、猫と暮らした経験はありませんでした。ただ、スタッフの中には子猫を2匹保護して暮らしている人もいたといいます。みなで話し合った結果、「ちーちゃんを会社で保護しよう」と決めました。

こうして、ちーちゃん、そしてミヤモトさんたちは、ともに新たな暮らしを始めることに。ところが、それは一筋縄ではいかなかったのです。

■隅から動かない…警戒心が解けるまでの日々

長年、おばあちゃんと暮らしてきたちーちゃんにとって、新たな環境は不安と恐れでいっぱいでした。

「当初は、怯えや怒りから強く警戒していましたね。隅に隠れて、まったく姿を見せない日が続きました」

そんなちーちゃんの気持ちに寄り添うように、ミヤモトさんたちは焦らず接することを心がけたといいます。

「とにかく根気よく話しかけました。そんな日々を重ねるうちに、ちーちゃんの様子が少しずつ変わっていったんです。少しずつ、私たちに慣れてくれるようになっていきました」

ミヤモトさんたちの惜しみない愛情を受け、ちーちゃんは保護当初からは想像もできない素顔を見せてくれるようになったのです。

■机や膝の上へ…甘えん坊に変わった瞬間

ミヤモトさんたちの気持ちは、時間はかかりましたが、確実にちーちゃんに届いていました。その証のように、ちーちゃんの振る舞いが大きく変わっていったのです。

「当初の緊張感はまったくなくなり、とてもおとなしく、甘えん坊になりました。私たちがデスクで事務作業をしていると、机の上や膝の上に乗ってくるように。そして、誰に対しても人懐こく、みんなに愛される子になっていったんです」

そうして、ちーちゃんは会社の“看板娘”になりました。

「ちーちゃんがいると、スタッフの笑顔が増えましたね。気づけば、みんな猫好きに(笑)。それが高じて、会社のロゴも猫に変更しました」

おばあちゃんを思う一途なちーちゃんの姿は、ミヤモトさんたちの心を動かしました。そして、温かな陽光のように日々を照らし、癒やしを与えてくれる存在となったのです。

■闘病の末に旅立ち…ちーちゃんが残したもの

猫の8歳は、人間年齢に換算すると推定48歳。すでにシニア期の入り口にいたちーちゃんの体調に異変が訪れたのは、一緒に暮らし始めて3年を過ぎたころのことでした。

「ガンが発覚し、闘病生活を送るようになりました。本当によく治療を頑張ってくれましたが、7月に容態が急変。推定12歳で亡くなりました」

ミヤモトさんたちと過ごして4年。ちーちゃんは、おばあちゃんのもとへ旅立ちました。

「ちーちゃんがうちに来てくれてから、本当に幸せな毎日でした。嫌なことがあっても、ちーちゃんがいると癒やされて忘れてしまうほど……」

ちーちゃんとの出会いをきっかけに、ミヤモトさんは4匹の保護猫と暮らすように。さらに、保護猫活動への関心も高まり、少しずつ活動するようになったといいます。

「今の夢は、保護猫施設を作ること。大それたことはできていませんが、地域猫の存在に目が向くようになりました。すべての猫が幸せに暮らせるように。自分たちにできる範囲で、周囲の状況をふまえたサポートをしていこうと決めています」

そんなミヤモトさんが贈る、ちーちゃんへの言葉とは--

「ちーちゃん、ありがとう。いつまでも、ちーちゃんのことがみんな大好きです」

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)

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