お好み焼き屋が「元受刑者を雇っている理由は……?」 漫画家が経営者に取材、その背景には“再犯率5割”【漫画】

ニュースなどでさまざまな事件の犯人が逮捕されたことは報道されますが、その後を知らない人も多いのではないでしょうか。漫画家・イラストレーターのにしぼりみほこさんの作品『なぜ元受刑者を雇うのか? 第1話』は、犯罪を犯した人を雇う取り組みについて描いた物語です。同作は日本財団のInstagramに投稿されると、約1.3万ものいいねを集めました。

ある日、作者がラジオを聴きながら仕事をしていると、ラジオ番組にお好み焼「千房」会長の中井さんが登場しました。話によると、彼は元受刑者を雇用する『職親プロジェクト』の代表を務めているようです。

作者は「前科があったら就職きついだろうなあ」と思いつつ聞いていましたが、そのお好み焼き屋では積極的に元受刑者を雇用しているそうです。作者は元受刑者について「こわいし、悪いことしたなら仕方ないのでは」と思ったものの、雇う理由が気になり大阪まで取材に行きます。

訪れたお好み焼き屋は、高級感にあふれたたたずまいです。会長の中井さんに案内され、お好み焼きを食べながら取材となりました。

さっそく作者は、「なんで元受刑者を雇ってるんですか?」と問います。中井さんは「元受刑者の受け皿は社会だから」と答え、続けて出所した受刑者が5年以内に再犯する確率について問いました。

作者は「2割くらい?」と答えますが、実際の再犯率はなんと5割にも上るそうです。中井さんによると、その理由は「受刑者が孤独だから」。受刑者は数万円の現金を持って出所しますが、住む家も身元引受人もない人が多いのが現状です。

頼れる人がいない元受刑者は、仕事の当てもないため、また事件を起こしてしまいます。中井さんは「つまり元受刑者を雇用する受け皿がないと、世の中から犯罪は減らない」と語り、物語は締めくくられます。

読者からは「そんな取り組みがあるなんて知らなかった」「これこそ社会福祉!」などの声が寄せられています。そこで、作者のにしぼりみほこさんに話を聞きました。

■『元受刑者の雇用』は難しいテーマだが考えなければいけないこと

-にしぼりさんは『職親』をはじめて知ったとき、どのように感じましたか? また、職親のどういった部分に興味を持たれたのでしょうか

職親プロジェクトの存在を初めて知ったときは「そんな支援あるんだ!」というのが第一印象です。「2人に1人が5年以内に再犯するという再犯率の高さ」と、その背景にある「元受刑者の生い立ち」の部分に興味を持ちました。

-実際、お好み焼き屋さんの雰囲気は?

従業員のみなさんがすごくホスピタリティが高くて、このお店では人が大事にされているなという印象でした。怖い雰囲気というのは全くなく、むしろ優しい雰囲気でした。

-同作において、読者に伝えたかったことを教えてください

すごく難しいテーマですが、考えなければいけないことだと思います。受刑者が出所したときに世の中に受け入れられなかったら、生きていくことに絶望し再犯に繋がってしまいます。

少しでも職親プロジェクトを理解して賛同してくれる企業や人が増えれば結果的に再犯が少なくなるのではないでしょうか。この漫画では全6話で、職親プロジェクトがなぜ必要なのかわかりやすく描いていますので、ぜひ読んでほしいです。

(海川 まこと/漫画収集家)

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