ママ友ランチで突然伸びてきたフォーク「一口もらっていい?」 フレンチのメイン料理でも当然のように求められ困惑…家庭のシェア習慣に戸惑い

ランチの席は楽しいはずなのに、心がざわつくことがあります。「一口ちょうだい」と笑顔で言われた時です。親しさの証のように扱われがちなこの習慣ですが、受け取る側にとっては、正直つらい場面もあります。距離感と食習慣の違いが、テーブルの上で静かに衝突しています。

■ママ友ランチで起きた当然のような一口要求

Hさん(40代)は、知り合って間もないママ友とのランチで、おしゃれなピザレストランへ行きました。ママ友からは「2種類頼んでシェアしませんか」と提案がありました。カットされ、取り分ける前提のピザであれば、Hさんも抵抗は少なかったそうです。

次に会ったときのランチは、フレンチレストランでした。プリフィクスコースでメインをそれぞれ選びます。料理が届くとすぐに、「そっち、一口もらっていいですか」とためらいなくフォークが伸びてきました。断るほどのことでもない空気ですが、内心は複雑でした。こちらが取り分けてあげるのではなく、自分からフォークを伸ばすのは、マナーとしてどうなのだろうかと感じたそうです。衛生面も気になりますし、お互いが、それぞれ食べたくて選んだ一皿です。「味見前提」で選んだわけではありません。

最初から取り分け前提の料理であれば受け入れられますが、個別の皿に盛られた料理では心理的な線引きがまったく違うと感じたといいます。

■学校でも起きていた「一口ちょうだい」

Hさんの中学生の息子が、弁当のおかずを「一口ちょうだい」と頻繁に言ってくる同級生がいると話してきました。保温ジャーの牛すじカレーを持参した日には、「牛すじほしい」と具材を指定されたそうです。しかもその生徒は、売店で購入した飲み物やアイスなどもすぐに一口を求めてくるタイプだそうです。

その同級生の母親は、ランチで一緒に行ったあのママ友です。なぜ親子そろって一口を求めるのだろうと疑問に思っていたところ、理由が分かりました。その家庭では、親子で外食する際は必ず料理や飲み物をシェアするのが習慣になっているのだそうです。「違うものを頼んで交換して食べることや、ひとつを注文してシェアするのは普通」というのがその家庭の考え方でした。

それを聞いて、Hさんは納得すると同時に戸惑いも覚えました。家族間のシェアは微笑ましい光景ですが、その感覚のまま外の人間関係にも適用されると、受け取り方が大きく分かれます。スプーンやペットボトルの共有は、相手によっては大きな抵抗になります。

ピザのように最初から分ける前提の料理は別として、個別に選んだ一皿や飲み物は、できればそのまま完結させたい。そう感じている人も、実は少なくありません。テーブルの上の「一口」は、想像以上に繊細なテーマです。

(まいどなニュース特約・松波 穂乃圭)

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