10年前に注文、忘れていたガトーショコラが突然届いた まるで「自分へのタイムカプセル」…北鎌倉の手作りケーキに重なった“10年分の時間”
「10年前に注文したケーキが今になって届いた」という驚きの投稿がInstagramで注目を浴び、3.8万件を超える“いいね”を集めています。投稿主は、料理・ダイエット・子育てのリアルをSNSで発信している、サンシャインBBAさん(@sunshine_baba.hatenko)です。
ケーキの製造者は、北鎌倉にある「Gateau d’ange(ガトーダンジュ)」。元競輪選手の多以良 泉己(たいら みずき)さんが、事故の後遺症を抱えながら自宅で療養を兼ねてパンやケーキを手作りしているお店です。高次脳機能障害、脳脊髄液減少症、左脚麻痺を患いながらの製造、そして一度に「ひとり分」のみを手作りするという方針のため、2026年1月現在はなんとほとんどの商品が「20年待ち」なのだとか。
投稿主さんが、10年の時を経て手元に届いたガトーショコラを家族と味わう動画には、「タイムカプセル気分」「何かを大切に待つ生活ってとっても贅沢だと思います」など、“待つ価値”について多くの共感が寄せられました。
投稿主さんがこのケーキを注文したきっかけは、数年前にテレビ番組である競輪選手の特集を観たことでした。デビュー5カ月目の事故で選手生命を絶たれた多以良 泉己さんが、第二の人生としてパン屋を始めた姿に心を打たれ、「応援の気持ちから注文しました」と話します。その際、ケーキを注文したところ、実際に手元に届いたのは5年後だったそう。しかしあまりの美味しさに、すぐに2回目の注文をしたと振り返ります。
それから10年-。正直、注文していたこと自体をほとんど忘れていたと明かします。
「パン屋さんに立ち寄ったときなど、ふと二度ほど思い出したくらい。お店から確認の連絡がないのは理解していたので、そこは気になりませんでした」
そして2025年冬、ついにそのケーキが10年越しに届いたのです。
「10年も待って食べたら、どれほどおいしいんだろう? って。何を頼んだかも覚えていなかったので、無我夢中で箱を開けました」
「一度目は現在17歳の長男が1歳だった時に注文し、息子が6歳になった5年後に届きました。今回届いたのは二度目の注文で、3人目の子どもが生まれた年に頼んだものです。この10年の間に家族の人数も3人から5人に変わっているし、子どもたちみんながそれぞれ届いたパンを楽しめるような年齢になっていることにも感動しました。一度目の注文が届いた当時は、長男が食べやすいようにパンを柔らかくしてから口に入れたのを覚えています。二度目の注文が届いた今では、その息子とチョコケーキを取り合うなんて、本当に感慨深いです」
ケーキ自体は片手で持てる程の小さいサイズですが、重量があり、動画内では「鉄アレイのように重い」と表現されています。包丁を入れた瞬間について、投稿主さんはあまりの密度の高さに「すごく重かった」と振り返ります。
「ひと口食べた瞬間、チョコレートの濃厚さに圧倒されました。厳選された素材で作られていると知ってはいましたが、想像を超えるおいしさにただただ驚くばかりでした」
Instagramに投稿した動画を撮影後は、コーヒーを淹れ、家族5人でゆっくり分け合ったそうです。
「上品な苦みと甘みが広がり、まるでチョコレートそのもののようなテクスチャーでした」
製造者の多以良さんは、お店を始めた当時、食パンのみを作られていたそう。現在では、ガトーショコラをはじめバウムクーヘンやロールケーキなど、様々な商品を展開しています。
「体の状態が良くなられて、頑張られている結果なんだな…と。製造者のご家族の方のサポートのことも考えると、目頭が熱くなりました」
投稿主さんは、すでに三度目の注文も行ったそうですが、今回は「19年待ち」だったといいます。
「ただのケーキではなく、障害を持たれた製造者の方がリハビリ目的も兼ねて作っていらっしゃる、ということを知らない方は驚かれるのかな…と思いました。『体調などを考慮しながら、タイムカプセルを待つような気持ちで待ってほしい』という製造者の気持ちを考えると、ユーモアを持って『19年待ち』を楽しみにできる方はぜひ頼んでみてください。自分へのタイムカプセルといいますか、自分へのサプライズプレゼントだと思ってほしいです。実際に今回も、私が注文したのに受け取った時は本当にサプライズプレゼントのようで嬉しかったです」





