40代妻を夫がGPSで監視→メールを見たら「帰りはこのルートで」 周囲の友人が恐怖……でも、見直した理由とは?【漫画】
他人から見れば驚くような夫婦の関係も、当人同士が納得していれば“正解”なのかもしれません。「愛情」と「束縛」の境界はときに曖昧で、他人にはわからない部分も多いものです。千葉県に暮らすKさん(40代)夫婦も、周囲から見れば異質な関係ながら、本人たちは独自のバランスで暮らしています。
■優しさのスケールが宇宙規模の夫
Kさんは40代半ば。華やかな顔立ちに加えてスタイルも良く、若いころはとてもモテたそうです。2人の娘もすでに高校生になり、今は落ち着いた雰囲気と柔らかな物腰が印象的です。人あたりも良く、周囲から見れば「理想の奥さん」といった存在です。
そんなKさんの2歳年上の夫は、本人いわく「基本的に優しい人」なのですが、その優しさの出し方が一風変わっています。というのも、Kさんの位置情報は常に夫に共有されており、「危険な目にあわないように」との理由から、夫は彼女の動きをGPSで逐一チェックしているのです。
■ランチの帰り道案内が、店を出た瞬間に届く恐怖
Kさんは「方向音痴だから」と笑いますが、外出時の動きはすべてリアルタイムで夫に把握されています。
ある日、東京駅近くの路地にあるレストランで旧友たちとランチを楽しんでいたKさん。夫には「今日はここで食べるね」とだけ伝えていました。食事を終えて店を出た瞬間、スマホに夫からのメッセージが届きました。
「その場所からなら帰りはこのルートが早いよ」
スマホを見たKさんは、一瞬固まりました。「いまから別のお店でコーヒー飲んでから帰ります」と返信すると、「帰りはこっちの出口の方が近いからね」と念押しが続きます。そして別のカフェでお茶を楽しんだ後、店の扉を開けた瞬間、また夫から追撃メールが届きます。
「そこからなら〇番出口が最短。わかるかな?」
あまりに完璧なタイミングに、同席していた友人たちも「どこで見てるの?」と震撼。夫の位置情報追跡はもはやナビアプリ以上の精度で、「思いやり」というよりも「衛星からの誘導」に近いものでした。
Kさんは苦笑しながら「どこから見られているのかわからないんだけどさ~」と言いますが、見えていないからこそ、想像が膨らんでいるのが怖いのではないかという指摘もあります。同僚たちからすれば“怖さの解像度”が高すぎます。
■離脱計画から一転…「投資話」に
夫の管理は移動だけに留まりません。起床時間、就寝時間、平日の動き、休日の過ごし方まで、Kさんの1日のスケジュールはほぼ夫の手により成形されています。
平日は22時半には就寝、6時には起床。休日は平日より早く始まる日もあるそうです。世間では休日は休む日とされていますが、Kさん家では「休日=自由」の概念はありません。ただKさんは「早く起きた方が健康にいいから」穏やかに笑うばかりです。
そんな生活に、周囲の友人たちは心配を隠しません。
「苦しくないの?」「もっと自由でもいいと思うよ」「逃げるなら手伝うよ」
徐々にシリアス色を帯びていく空気。しかしKさんは穏やかに首を横に振ります。
「たまに、夫が確定拠出年金の残高をスマホで見せてくるんだけど…あれ見ると、まあこのままでもいいかなって」
その瞬間、先ほどまで脱出計画を練っていた友人たちの関心は、一気に「老後の資産」にがらりと変わりました。
「いくら入ってるの?」「年利は?」「桁は?」
心配なんてどこかに消えてしまいました。
■夫婦のラストステージは三部構成
Kさんが語り始めた人生設計はさらに衝撃的でした。
「老後も夫と仲良くつましく暮らして、夫の最期をちゃんと見届けて、そのあと私はひとりでのんびりしたいんだ」
人生設計は「寄り添う」「見送る」「自由に過ごす」の三部構成になっています。結婚のゴールが白馬の王子でもスローライフでもなく、「終幕確認後のセカンドステージ」という着地地点。新しすぎる夫婦のキャリアデザインです。
Kさんは誰かに人生を預けているわけではなく、「自由より安心」「冒険より安定」を選んでいるのです。その結果がGPSによる位置情報共有やスケジュール管理であっても、Kさんにとって納得の上であれば、外野が口を出すことではないのでしょう。
■見守りは衛星級、安心は残高表示で
幸せは「自由」や「解放」だけでは測れません。外から見れば息苦しくても、本人が満足していれば、それは確かな幸福です。そして今や「愛の重さ」ではなく「老後の安心感」が人生の決め手になることもあります。
Kさん夫婦の関係は、もはや監視や束縛ではなく、「未来保証付きパートナーシップ」。今日もGPSがKさんを見守り、年金の残高画面が平穏を映し出しながら、彼女は決められたルートで帰宅し、老後というゴールへ着実に向かっているのです。
(まいどなニュース特約・松波 穂乃圭)





