奈良・近鉄五位堂駅に特急が停車…2026年春のダイヤ改正はどうなる? 現状と今後の注目ポイント
11月20日、奈良県香芝市と近鉄は近鉄大阪線の五位堂駅に特急の一部を停車させることを発表しました。五位堂駅の現状と特急停車をめぐる今後の注目ポイントを見ていきます。
■ラッシュ時に五位堂駅に特急が停車
香芝市と近鉄は五位堂駅の特急停車を発表しました。2026年春に予定されているダイヤ変更で、朝夕のラッシュ時間帯に特急が五位堂駅に停車します。五位堂駅に停車する特急の本数は、上り(大阪難波、大阪上本町行き特急)が朝ラッシュ時間帯の7本(土休日ダイヤは8本)、下り(名張、松阪行き特急)が夕ラッシュ時間帯の10本(土休日ダイヤは9本)です。
詳細なダイヤはダイヤ変更日の2カ月前に近鉄のホームページで公開する、としています。五位堂駅への特急停車は香芝市が近鉄に要望したものです。
また、香芝市は2024年11月に策定した「近鉄大阪線五位堂駅南側駅前広場整備基本構想」に基づき、五位堂駅前の広場や周辺道路の整備を進める、としています。
■快速急行の動向に注目
五位堂駅は人口約77,000人を有する香芝市の東部の玄関口にあたります。副駅名は「真美ヶ丘ニュータウン・畿央大学前」で、真美ヶ丘ニュータウンと畿央大学の最寄駅でもあります。南約800メートル先にはJR和歌山線・JR五位堂駅があります。近鉄五位堂駅は大阪中心地に直通していますが、JR五位堂駅は朝ラッシュ時間帯を除き、JR難波行き直通列車はありません。
五位堂駅は大阪難波駅から29.1キロ地点にあり、現在は快速急行以下の種別が止まります。構内は2面4線で、特急通過の退避や快速急行・急行と下位種別との接続を行っています。
平日7時・8時台における五位堂駅上り時刻表を見ると、快速急行は計6本、急行は計5本です。大阪上本町行き快速急行は鶴橋のみに止まり、大阪上本町駅までの所要時間は25分前後です。大阪上本町行き急行は河内国分、布施、鶴橋に止まり、大阪上本町駅までの所要時間は30分弱です。一方、平日17時台~20時台の鶴橋駅下り時刻表では、快速急行は計9本、急行は計7本です。
五位堂~大阪上本町間での特急と快速急行との間に所要時間の差は、それほど生じないと思います。現状の快速急行よりも、五位堂駅に停車する特急の本数が多いか否かという点に注目したいです。
また、快速急行の処遇も気になります。快速急行は鶴橋、五位堂、大和高田、大和八木、桜井、榛原、室生口大野、赤目口、名張の順に停車します。一方、夕ラッシュ時間帯の松阪行き特急は鶴橋、大和高田、大和八木、榛原、名張の順に停車します。鶴橋→榛原間の最速の所要時間(鶴橋駅発19時台)は快速急行が42分、特急が37分です。
五位堂駅に特急が停車すると、特急と快速急行の差が縮まります。そのため、快速急行の種別変更や、本数の調整が行われるかもしれません。
いずれにせよ、ラッシュ時間帯の大阪線の特急は五位堂駅の停車により、ますます着席サービスを目玉とした「通勤ライナー」としての性格を強めることになります。
(まいどなニュース特約・新田 浩之)





