ひとり暮らしが不安を感じること「共連れ侵入」が最多 一方、実践している防犯対策は手軽なものに偏る
近年、ひとり暮らしを狙った犯罪が深刻化する中、従来の「オートロックがあるから安心」という意識では対応しきれない状況となっています。パナソニック株式会社(東京都港区)が実施した「ひとり暮らしの防犯意識」に関する調査によると、防犯面で特に不安を感じることは「共連れ侵入」が最多となった一方、実践している防犯対策は「ドアスコープやドアチェーン」など手軽なものに偏り、防犯面では不十分な傾向が見られました。
調査は、現在オートロックの集合住宅でひとり暮らしをしている全国の10~40代の男女800人を対象として、2025年10月にインターネットで実施されました。
調査の結果、「普段から防犯を意識している」と答えた人は80.9%で、特に20代女性が40.3%と高くなったのに対して、30代男性では「まったく意識していない」と回答した割合が7.8%で最も多くなりました。
「防犯対策を意識していない理由」としては、「今まで何も起こっていないから」(51.6%)が半数以上を占め、これまでの経験が防犯意識の低さの要因となっていることがわかりました。
一方で、「自身の防犯対策」について、「十分にできている」と回答したのはわずか10.1%にとどまり、意識と行動のギャップが浮き彫りになりました。
そこで、「日常生活の中で防犯に関するトラブルや不安を感じた経験」について聞いたところ、「特に遭遇・目撃・経験したことはない」(59.1%)が最多となったものの、「不審者に遭遇したことがある」(18.3%)や「不審な行動を目撃したことがある」(16.8%)といった意見も挙げられ、防犯意識が低い人の多くは自分には被害が及ばないと思っている一方で、実際には身の周りで不審者や不審行動の目撃経験もあることから、意識と現実の間に大きなギャップがあることが示されました。
次に、マンションへ不審な人が一緒に入ってきた(=共連れ)侵入事件の報道を受け、「防犯意識の変化」を聞いたところ、74.6%が「防犯意識が高まった」と回答。
また、「ひとり暮らしの防犯面で特に不安を感じること」としては、「マンションでの共連れ侵入」(47.1%)、「自宅への侵入(空き巣・不法侵入など)」(43.1%)などに回答が集まりました。
一方で、「実際に行っている防犯対策」としては、「ドアスコープやドアチェーンの活用」(35.1%)や「周囲に不審な人がいないか確認してから家に入る」(32.4%)、「鍵の二重ロック」(31.3%)など、手軽にできる対策に偏っており、防犯面が不十分な傾向が見受けられます。
そこで、「今後導入したい防犯家電」を聞いたところ、「ドアホンカメラ(映像付きインターホン)」(20.0%)や「スマートロック(スマホで施錠・解錠できる鍵)」(16.8%)、「防犯カメラ(屋外)」(12.3%)などが挙げられたものの、「特に導入予定はない」(53.8%)が最も多くなりました。
また、SNSをきっかけとした詐欺やトラブルに関するニュースを目にする機会が増えていることを受け、「防犯やトラブルの観点からSNS投稿に対する警戒心が高まった」と答えた人は65.9%となり、「投稿時に防犯のために工夫していること」としては、「写真に生活環境(自宅・最寄駅・通学通勤経路など)を写さない」(42.7%)、「位置情報タグをオフにしている」(35.1%)などが上位となりました。
一方で、「特に工夫していない」(26.5%)という人も約4人に1人見られ、警戒心と実際の行動のギャップが浮き彫りとなりました。
住まいの防犯を高めることについて、防犯アドバイザーの佐々⽊成三氏は、「まず『鍵』と『ドアの構造』を見直すことが基本。ピッキングに強いディンプルキーや、二重ロックなどの対策を検討しましょう。さらに、防犯カメラやモニター付きインターホンといった機械警備を整えることで、侵入抑止効果が格段に上がります」とアドバイスしています。
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【出典】
▽パナソニック調べ





