義母が勝手にピアノを送ってきて→「女の子はピアノをやらないとダメよ」 外で遊びまわるのが好きな娘なのに……困惑する母【漫画】
「女の子はピアノをやらないとダメよ」--この夏の帰省中、義母にそう言い切られたとき、Kさん(30代)は思わず言葉を失いました。
続けざまに「うちのピアノを送るから使いなさい」とまで言われ、戸惑いはさらに募りました。娘はどちらかといえば外で元気に遊ぶのが好きなタイプで、ピアノを習いたいと言い出したこともありません。都内の賃貸で暮らすKさん一家にとって、義母の一方的な思いは、想像以上に重たくのしかかりました。
■虫取りから一転、義母の「ピアノ宣告」
夏の帰省で訪れた義実家では、娘が川で水遊びをしたり、山でバッタを追いかけたりと、自然の中で元気いっぱいに遊び回っていました。泥だらけになりながら野山を駆け回る姿に、Kさんは都会ではなかなかできない貴重な体験だと、目を細めていました。
そんな穏やかな時間の中で、ふと義母の表情が変わりました。
「そろそろ幼稚園に入るんだから、女の子はピアノをやらないとダメよ」
唐突に放たれたその言葉に、Kさんは戸惑いを隠せませんでした。
虫取り網を握る泥だらけの娘と、「ピアノ」を当然のように語る義母--かみ合わないその取り合わせに、Kさんは言葉を失いました。
■突然の「ピアノ配送計画」
義母の主張には、ある種の“根拠”がありました。Kさんの夫は小学校1年生の頃から近所のピアノ教室に通っており、小学校高学年では合唱コンクールで伴奏を務めたこともあるそうです。中学入学を機にやめたものの、「あのときはクラス中から拍手を浴びてね」と、義母はまるで昨日のことのように語りました。
その誇らしい記憶は、孫娘への“ピアノ推進”に拍車をかけていたようです。夫が「男の子なのに弾けた」のだから、女の子の孫が「ピアノも弾けないなんてかわいそう」とまで言われ、Kさんはますます困惑しました。
驚いたのはその後でした。義母は「うちの使っていないピアノを送ってあげる」と言い出したのです。
Kさん一家は都内の狭い賃貸マンションで暮らしており、いずれは持ち家を持ちたいとは思っているものの、今の部屋に“あの大きな黒い塊”が届くことを想像するだけで身震いしました。ピアノはリビングを完全に占拠し、防音対策もできません。
「パパが使っていたピアノなのよ~」「発表会にはドレスを着るのよ」--運送費は負担すると言いながら、滞在中に少しずつ娘を“洗脳”していくような義母の様子に、Kさんはますます追い詰められていきました。軽やかな言葉とは裏腹に、Kさんの頭の中では「どう避けるか」を必死に考えるばかりでした。
■娘の適性より義母のプライド
「子どもに何を習わせるかは、本人の興味や適性を見て決めたい」--Kさんのそんな思いは、義母の“正論”の前ではあっさりかき消されていきました。義母にとって大切なのは、孫娘の未来ではなく、自分の成功体験の延長線上にある「理想の育児」にしか見えませんでした。
バッタを捕まえて無邪気に喜ぶ娘の隣で、義母は「女の子はピアノさえ弾ければ将来困らない」と確信に満ちた笑みを浮かべていました。しかしKさんは、「困るのは今の生活のほうなのに」と感じてしまいました。
ピアノを習うかどうかは、最終的には娘自身の意思によるものです。体験レッスンに行ってみることや、賃貸の部屋にピアノを置けるかどうかを管理会社に確認しておくことを“次回の帰省までの宿題”としながら、Kさんは家族の生活環境にあわせて、ゆっくり考えていこうと心に決めました。
義母のプライドと現実の暮らしの狭間で揺れるKさんの気持ちは、言葉にできないほどの重みを帯びていました。
■義母からの子育てアドバイス…どう付き合うか
義母からの子育てアドバイスで困惑したことはありますか?
▽新潟市・40代
娘が小学生になったら、小さい包丁を買ってあげるといいだして「女の子だから料理くらいしないと」と言われました。危ないからあまりやらせたくないのに…。
▽茨城県・30代
幼稚園に通い始めたばかりの息子に義母が、突然「男の子は空手で心身を鍛えなきゃ!」と断言し、道場の体験レッスンに勝手に申し込まれました。家でも一人おとなしく過ごすのが好きな息子なので、まず先生の声の大きさから萎縮してしまい、「もう行かない!」と言っています。
▽兵庫県・30代
初めての妊娠出産で、義母と義祖母が喜んでくれ、妊娠中に「鮑を食べると目がきれいな子が生まれる」と言っては鮑を送ってくれ、産後は「お餅を食べると母乳がよく出るから」とわざわざつきたてのお餅を送ってくれ、とてもありがたかったのですが、妊娠中も太りすぎと産婦人科の先生に怒られ、産後もお餅を食べすぎて乳腺が詰まったりして、割と大変でした。
▽東京都・40代
2歳になった娘がいるのですが、義母に「まだオムツしているの?2歳までにオムツは外すものよ。恥ずかしいわね」と言われ、帰省のときに娘がオムツをしているのを見て、睨まれている気がします。
(まいどなニュース特約・松波 穂乃圭)





