「人生観が変わった」おすすめ自伝ランキングベスト20発表 2位は『窓ぎわのトットちゃん』
社会人のみなさんが、「人生観が変わった」と感じた自伝にはどのような本があるのでしょうか。株式会社スタジオテイル(東京都新宿区)が運営する「みんなの転職『体験談』。」が実施した「人生観が変わったおすすめ自伝アンケート調査」によると、1位は『アンネの日記』でした。
調査は、全国の20代~60代の社会人401人を対象として、2025年7月にインターネットで実施されました。なお、同ランキングは複数回答可とし、ひとつの作品に対する総ポイント(全体投票+特におすすめとして挙げた票)で順位付けしています。
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選ばれた作品は、古典的名著から近年出版された作品まで幅広く、ジャンルもビジネス書やエッセイ、漫画と多岐にわたりました。
1位の『アンネの日記/アンネ・フランク』(48pt)は、ナチスの迫害を受ける中でも未来への夢を持ち続けた13歳の少女の記録で、多くの読者が「どんな状況でも希望を持ち続ける大切さ」を感じ取っています。
2位の『窓ぎわのトットちゃん/黒柳徹子』(39pt)は、電車を教室にした学校でのびのびと学ぶ少女の物語で、「他人と違っても良い」というメッセージが支持されました。
3位の『奇跡の人ヘレン・ケラー自伝』(37pt)では、視覚と聴覚を失ったヘレン・ケラーが言葉と出会い世界を広げていく過程が描かれ、困難に挑む姿に勇気づけられたという声が多く寄せられました。
以下、4位は『五体不満足/乙武洋匡』(30pt)、5位に『道をひらく/松下幸之助』(32pt)など、上位に挙げられた作品には、「過酷な環境でも希望を失わない姿勢」や「自分らしく生きる力強さ」といった共通点がありました。
中盤から後半にかけては、経営者や芸人、漫画家といった職業人の自伝が並びます。8位の『SHOE DOG/フィル・ナイト』(24pt)』や13位の『不恰好経営/南場智子』(11pt)では、表舞台の裏にある資金繰りや仲間との葛藤が赤裸々に描かれ、成功の陰にある苦労が共感を呼びました。
また、16位の『福翁自伝/福沢諭吉』(8pt)や17位の『失踪日記/吾妻ひでお』(7pt)などは、社会の光と影をユーモラスに描いたり、反骨心あふれる姿勢を伝えたりする作品として票を集めました。
また、「あなたにとって「自伝」とはどんな存在ですか」という質問には、「生き方・働き方のヒントがほしい」(73%)がダントツとなりました。次いで「落ち込んだときに勇気をもらいたい」(43%)、「他人の人生から間接体験したい」(41%)といった回答も多く、自伝が「共感」「気づき」「学び」の源になっていることが見えてきました。
さらに「自伝にどんな価値を感じるか」も自由記述で答えてもらったところ、大きく三つの視点に分けられました。
▽視野の広がり・価値観の変化
自伝を読むことで、多くの人が「自分では選ばなかった人生への入り口」を見つけていました。異なる時代や職業、価値観に触れることで自分の考えが揺らぎ、新しい視点が生まれるといいます。
あるクリエイティブ職の男性は「他人の人生に触れることで視野が広がり、自分の選択に自信が持てるようになった」と語り、営業職の女性は「自伝には、自分では体験できない物語から教養を広げる力がある」と述べました。こうした声からは、自伝が人生を見つめ直すツールとして役立っている様子が伝わります。
▽励まし・心の支え
多くの回答者が、自伝を「心の支え」として読んでいることが分かりました。特に辛い状況にあるとき、著者が経験した挫折や再生の物語が励みになるようです。
ある女性読者は「どんな偉人にも山あり谷ありの人生があると知り、自分の谷を乗り越える勇気が出た」と話しています。
また、別の男性読者は「他人の人生を鏡のように映して、自分の悩みや迷いに新しい視点を得られた」と述べており、失敗談や葛藤に共感することで自己肯定感が育まれていることがうかがえます。
▽別の人生への「疑似体験」
現実では選べない人生を、読書によってなぞる--そう語る人も多くいました。クリエイティブ職の女性は「自伝は他人のストーリーや価値観に触れられるもので、著者がどんな言葉で綴っているかが興味深い」と話し、50代の男性は「一冊に凝縮された経験を短時間で読めることに価値がある」と答えていることからも、自伝を読むことで現実では経験できない人生を疑似体験し、その表現や感情に触れる楽しさを味わっている様子がうかがえました。
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