同棲で「ゴミ捨て」忘れる彼氏→私が忘れると…激怒! 自分は反省ゼロなのに、なんといえば変わってくれる?【恋愛婚活心理学者が解説】
20代のAさんは、彼氏と同棲しています。ある日「ゴミを捨てておいてね」と彼に頼むと「わかった」と返事をしたにもかかわらず、帰宅すると捨てていませんでした。彼に言うと「あぁ、ごめんごめん」と悪びれていない様子です。彼の反応にAさんは「まぁそんな日もあるか」と思いながら過ごしていました。
しかしAさんが彼に「シャンプー買っておいて」と頼まれていたのに買い忘れると「買っておいてって言ったじゃん!」とここぞとばかりに怒ります。Aさんは彼が失敗したときに許しているのに、なぜここまで怒られるのか納得できません。このようなやり取りが多い事からAさんは彼に怒るクセを直してほしいと伝えたものの、改善する様子は見られない状況です。これは性格なので諦めるしかないのでしょうか。恋愛婚活心理学者の吉野麻衣子さんに聞きました。
■考えられる原因は2つある
ー自分のことを棚に上げるのは性格なのでしょうか?
考えられる心の仕組みをいくつかご紹介します。ひとつめが、「自信のなさが原因で自分を守ろうとしている」ことです。
相手を強く責める行動は、自信のなさの裏返しであることも少なくありません。自分に自信がないと、失敗を認めるのが怖くなります。失敗を認めた瞬間に、まるで自分の価値が下がってしまうように感じるからです。
そのため自分の失敗からは無意識に目をそらし、代わりに相手の失敗を大げさに取り上げて責めることで、「悪いのは自分ではなく相手だ」という状況を作り出します。彼がAさんの失敗をことさらに責めるのは、自分の弱さを隠したいという気持ちの表れなのかもしれません。
もうひとつの原因が、「子どもの頃の経験が影響している」説です。人との関わり方は、子どもの頃の経験に影響されることがあります。例えば彼が親からいつも厳しくされ、失敗を許してもらえずに育ったとしたらどうでしょうか。「失敗は絶対にダメなことだ」という価値観が、心に深く染み付いている可能性があります。
その場合大人になっても一番身近な存在であるAさんに、かつての自分が向けられたのと同じ厳しい目を無意識のうちに向けてしまいます。一方で自分の失敗に対しては、どう受け止めたらいいのか分からず、「自分は悪くない」と思い込むことで自分を守ろうとするのです。
ー直してほしいところを伝えるとき、効果的な伝え方はありますか?
彼の心の背景を少し理解したうえで、次に大切なのは「伝え方」の工夫です。感情的にぶつかるのではなく、彼の気持ちが落ち着いている、リラックスした時間を見計らって試してみてください。
まずは、二つの出来事をくらべて冷静に話してみましょう。伝え方の例としては、「少しだけ2人のことについて話してもいいかな?この前のシャンプーの件と、その前にあったゴミ捨ての件のことなんだけど。私のときはすごく怒られたけど、あなたのときは、そうでもなかったよね。私はその対応の違いに少し戸惑っていて。あなた自身は、この違いについてどう思うか考えを聞かせてほしいな」というように、彼を問い詰めるのではなく、「私はこう感じたんだけど、あなたはどう思う?」と意見を求める姿勢で話すのがポイントです。
続いて、嬉しいと感じたことは、すぐに言葉で伝えましょう。伝え方の例は「今日、私が頼まれてたお使いを忘れちゃったのに、責めずに『そっか、じゃあ明日で大丈夫だよ』って言ってくれて、すごくうれしかった!ありがとう。そんなふうに言ってもらえるとすごく安心するよ」というように、素直に伝えるのがポイントです。褒められると誰でも嬉しいもので、良い行動を続けるきっかけになります。
最後に、2人のための「共通ルール」を一緒に作りましょう。2人がもっと仲良く過ごすための、前向きなルール作りを提案するのも有効です。伝え方の例は「これからお互いに何かをうっかり忘れちゃった時のために、約束事を決めない?例えば、忘れた方を責めるんじゃなくて、まずはお互い様って気持ちで許し合うのはどうかな?」です。これをすることによって「これは自分たちで決めた約束だ」という当事者意識が彼にも芽生えます。
何よりも大切なのは、Aさんひとりで抱え込みすぎないこと。そして彼自身の中に「このままでは良くないな」「二人の関係をもっと大切にしたい」という気持ちを芽生えさせることが、根本的な改善には不可欠です。もしあなたが真摯に伝えても、彼が聞く耳を持たなかったり、あなたを傷つける言動が続いたりするなら、二人の関係そのものを見つめ直す時間も必要かもしれません。
◆吉野麻衣子(よしの・まいこ)恋愛婚活心理学者
恋愛婚活心理学者、心理カウンセラー、臨床心理療法士であり、戦略的に婚活をサポートする株式会社SMART BRIDALの代表取締役社長を務める。Domani、ゼクシィなど女性誌へ多数執筆。ミセスコンテスト日本人初世界大会優勝者としてモデル活動も行いながら、全国の独身男女の人生設計をトータルサポート中。
(まいどなニュース特約・長澤 芳子)





