「6」をひっくり返しても、「9」に見えない!? ちょっとした工夫に感動「丸まりすぎていないのが好き」

なにかと混同しやすい「6」と「9」。

今、SNS上ではそんな二つの数字を誤読しないように工夫されたと思しきいにしえの書体が大きな注目を集めている。

「私はひっくり返しても『6』に誤読しないように工夫されているタイプの『9』が好きなひとです(現代だと意外と少なめ)」

と古ぼけたフォントブックを紹介したのは書体讃歌さん(@typeface_anthem)。

セリフ体や明朝体のフォントのようにストロークの端にうろこ状の線をデザインされた「9」。たしかにこれなら「6」との違いが一目瞭然だ。

書体讃歌さんにお話を聞いた。

ーーこの書籍のタイトルや発刊年は?

書体讃歌:『文昌堂製品 綜合見本帖』(株式会社文昌堂)、1951年刊です。20ページの小冊子で、同社で当時販売されていた活字の書体見本帳となります。日本の活版印刷時代の見本帳は現存数が少なく、ボロボロであっても見つかれば積極的に保存するようにしています。

ーーこういった書体の工夫について。

書体讃歌:現在ではUD(ユニバーサルデザイン)書体として、誤読を避ける工夫が施されたフォントが数多く出ておりますが、活版の時代からそのような配慮がなされていたとは想像しにくいです。おそらくデザインの一部として手書きに似た形を採用した結果、現代人の目からするとたまたま「工夫」されているように見えたのではないか、と考えを改めています。

 ーー投稿に大きな反響がありました。

書体讃歌:何気ない投稿だったのですが想像をはるかに超える反響で驚いています。返信や引用欄では皆様の「誤読しにくいようにするための工夫」を知ることができてうれしく思います。これをきっかけに、文字デザインの魅力や奥深さに興味を持っていただけると幸いです。

◇ ◇

SNSユーザー達から

「UDのフォントで6・9変えてるのもあるな」

「私の場合、『6』とか『9』の字のしっぽの部分が丸まりすぎていないフォントが好きです。 丸まりすぎたものはいずれも『8』と読み間違えるおそれがあるからです。」

「手書きではありますが9を『/°』みたいに書く税理士さんがいましたがあれも意味あるのかな。」

など数々の驚きの声が寄せられた今回の投稿。読者のみなさんは「6」と「9」を誤読したことはないだろうか?

なお今回の話題を提供してくれた書体讃歌さんは毎年大晦日に「紅白フォント合戦」という、紅白歌合戦で使われる歌詞テロップの書体名を特定する"祭り"をX上で開催しており、今年で第6回目となるそうだ。フォント特定に自信のある方はぜひ「#紅白フォント合戦」で検索し、参戦していただきたい。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

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