買ってはいけないミニバンの特徴は 「子どもが生まれたから」で選んで後悔? 予想外の“サイズ感”や維持費が“落とし穴”になることも

安易にミニバンを購入した結果、後悔するケースは少なくありません。

ここでは、ミニバン購入で後悔するケースや失敗しない選び方のポイント、王道の人気おすすめミニバンをご紹介します。

■「買ってはいけないミニバン」とは

現在のミニバンは車としての丈夫さや安全性を備えており、基本的に「誰もが買うべきでない一台」は存在しません。しかし、以下のようなミニバンを選ぶと後悔につながります。

・乗車人数に対してサイズが大きすぎる/小さすぎる

・自宅の駐車場や近隣の道路に対してサイズが大きすぎる

・車が大きすぎて運転しにくい

・車両代や維持費が家計の負担になる

・古すぎて安全装備が物足りない

つまり「買ってはいけないミニバン」とは、自分(家族)の使い方に合わず、「買うと後悔するミニバン」といえます。

■ミニバン購入で後悔するケース3選

ここでは、ミニバン購入で後悔することが多いケースをご紹介します。

▽ケース①そもそもミニバン以外でも良かった

子どもの誕生や成長に合わせて購入されることも多いミニバン。

しかし、子ども1~2人であれば、4~5人乗りの車で間に合うことが多いです。スライドドア搭載の軽自動車やコンパクトカーもあり、「子どもが成長したら家族で出かける機会が減った」という話もよく聞きます。

「ファミリーカーといえばミニバン」と安易に購入すると、後悔するかもしれません。

▽ケース②大きすぎて扱いにくい

ノア/ヴォクシーやセレナ、アルファードといった7~8人乗りのミニバンは全長約4,700~5,000mm、全幅約1,700~1,850mmと大きめ。この大きさが原因で、以下のような問題が生じることがあります。

・自宅の駐車場に入りきらない

・近所の道路や施設の駐車場が狭く、扱いにくい

・配偶者が運転を怖がって車に乗れない

地域によっては道幅が狭く、駐車や右左折に苦労します。また「夫婦で使う予定だったはずが、パートナーが怖がって運転しなくなる」というのも意外とよくあるケースです。

▽ケース③想像よりコストがかかる 

車は、一般にサイズが大きいほど車両価格が高く、税金などの維持費も高いです。特にミニバンは、以下の費用が高い傾向があります。

・車両価格のローン返済費用

・自動車税や重量税などの税金

・ガソリン代

・任意保険料

・車の整備費用(車検代など)

ローン費用を除いても、ミニバンの維持費は1ヶ月あたり3万~5万円ほどすることが少なくありません。

▽こんな選び方は特に注意

ミニバンはサイズが大きく居住性が高い反面、深く考えずに買うと後悔することが多いです。特に、以下のような選び方は避けましょう。

・「子どもが生まれるから」という理由で大きいミニバンを選ぶ

・「人気がある」「かっこいい」という理由でミニバンを選ぶ

・パートナーも含めて車に試乗しないまま購入する

・自宅の駐車場や近辺の道路の広さを確かめずに購入する

・ローンの返済費用や毎月のガソリン代を考慮せずに購入する

車は小さすぎても大きすぎても困るものです。「本当にこの車で良いのか」「買ってから困らないか」と念入りに検討してください。

■後悔しないミニバン選びのポイント5つ

ここでは、後悔しないミニバン選びのポイントを5つご紹介します。

▽ポイント①適切なサイズを選ぶ

ミニバンのサイズは、大まかに以下の3分類に分けられます。

サイズ区分/定員/全長・全幅の目安/特徴

コンパクト/5~7人/全長4,400mm以下、全幅1,700mm前後/運転しやすい、3列目が狭い

ミドルサイズ(Mクラス)/7~8人/全長4,700~4800mm前後、全幅1,750mm前後/3列目も広め、大人数×大荷物も可、運転を怖がる人も

フルサイズ(Lクラス)/7~8人/全長4,900mm前後~、全幅1,850mm前後/存在感・高級感がある、2列目に3人でも快適、操作しにくい

コンパクトミニバンは、コンパクトカーより一回り大きい程度で扱いやすいです。乗車人数が常時4人以下、5人でも子どもが含まれるなら充分な大きさでしょう。

一方、大人が6人乗る場合や自転車などの大荷物を積む場合は、ミドルサイズがおすすめです。ただし、運転のしやすさを考えるならミドルサイズでも全長4,700mm程度、最小回転半径5.5m以内の車を選びましょう。

常時7~8人乗る場合、また自宅の駐車場や近所の道幅が充分に広く、運転にも自信がある場合はフルサイズでも良いでしょう。

▽ポイント②利便性や快適性を確認する

現在のミニバンは、利便性や快適性に優れた装備や仕組みが多く搭載されています。特に注目すべきは、以下の3点です。

・スライドドアの機能(ハンズフリー開閉機能の有無など)

・2列目の居住性(オットマンやアームレストの有無など)

・シートアレンジの豊富さ(2列目の縦横の動き方など)

スライドドアのハンズフリー機能は、特に子育て世代に好評の機能です。また、2列目はシートバックテーブルなども重宝されます。

シートアレンジも室内の居住性に関わるポイントで、特に長時間の移動やアウトドア、車中泊において重要です。

▽ポイント③安全性の高さを確認する

現在の新車は基本的な予防安全装備が整っており、どの車を買っても大きな問題はありません。ただし、車種によって先進運転機能のレベルは異なります。ミドルサイズ以上でぶつけるのが怖い場合は、駐車サポート機能なども選べる車が良いでしょう。

中古車の場合は、衝突被害軽減ブレーキの性能や誤発進抑制機能の有無、エアバッグの種類や数といった点を気にして購入してください。

▽ポイント④予想される出費を考える

ミニバンは、前述のように維持費が高い傾向があります。燃費や税金、車検費用なども事前に調べて検討しましょう。

同じミニバンでも、車種次第で年間維持費が数万円~10万円ほど変わることもあります。

▽ポイント⑤短期乗り換えならリセールも考慮する

新車で買って数年で乗り換える場合は、リセールバリューも考慮しましょう。ミニバンは特にリセールバリューが高い傾向があるので、人気の車種・グレード・色を選ぶことで高く売却できる可能性があります。

なお「子どもが大きくなるまで数年乗りたい」という場合は、敢えて安めの中古車を選んでも良いでしょう。小さな子どもは車を汚したり、傷つけたりすることも多く、中古車のほうが気兼ねしにくいです。

■王道の人気おすすめミニバン6車種

ここでは、ミニバンのなかでも新車販売台数の多い王道人気車種をご紹介します。

※車種情報は、2025年2月月10日時点のガリバー「車カタログ」より引用

①トヨタ シエンタ(コンパクト) 

・新車時価格:199.5万円~323.5万円

・乗車定員:5人、7人

・サイズ:全長4,260mm×全幅1,695mm×全高1,695-1,715mm

・最小回転半径:5.0m

・WLTC燃費:18.3~28.8km/L

2024年のミニバン新車販売台数1位だったシエンタ。大人4人や子どもを含む5人で乗るには充分な広さで、ハイブリッド車はコンパクトカー並みの燃費の良さを誇ります。誰でも運転しやすいサイズ感も魅力的です。

 5人乗りと7人乗りがあり、7人乗りの3列目は非常に狭いですが、床下に収納することが可能。普段は5人乗りとして使い、緊急時などに6~7人で使うこともできます。

②ホンダ フリード(コンパクト)

・新車時価格:273.9万円~343.8万円

・乗車定員:5~7人

・サイズ:全長4,310mm×全幅1,695mm×全高1,755-1,780mm

・最小回転半径:5.2m

・WLTC燃費:14.4~25.6km/L

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024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたフリード。シエンタより価格が高く、燃費も劣りますが、車内の広さやシートの乗り心地、走行性の高さは勝っています。標準仕様の「エアー」とSUVテイストの「クロスター」が存在します。

乗車定員はグレードによって異なりますが、5~7人の選択肢があります。子どもがいて常時5~6人乗る場合は、3列目へのアクセスが良い6乗りがおすすめです。

③トヨタ ノア/ヴォクシー(ミドルサイズ)

・新車時価格:ノア267万円~389万円、ヴォクシー309万円~396万円

・乗車定員:7~8人

・サイズ:全長4,695mm×全幅1,730mm×全高1,895-1,925mm

・最小回転半径:5.5m

・WLTC燃費:ノア14.3~23.4km/L、ヴォクシー14.3~23.0km/L

ミドルサイズの王道人気ミニバンであるノア/ヴォクシー。現行モデルは低燃費で安全性も高く、日常生活に使うにはコストパフォーマンスの優れた一台といえます。

ノアとヴォクシーは姉妹車であり、基本スペックは変わりません。ただし、ノアのほうがグレード展開が多く、安価なモデルがあります。

④ホンダ ステップワゴン(ミドルサイズ)

・新車時価格:316.9万円~406.7万円

・乗車定員:7~8人

・サイズ:全長4,800-4,830mm×全幅1,750mm×全高1,840-1,855mm

・最小回転半径:5.4-5.7m

・WLTC燃費:12.9~20.0km/L

ステップワゴンは、ミドルサイズのなかでは比較的サイズの大きいミニバンです。広い分だけ車内にゆとりがあり、さらに3列目のシートを床下格納することが可能。3列目をしまえば、2列目を後方にロングスライドできます。

2列目シートの可動域が広いことも特徴で、前後左右にシートを動かせます。大きいので多少運転の難易度が上がりますが、ロングドライブが多い場合におすすめです。

⑤日産 セレナ(ミドルサイズ)

・新車時価格:271.9万円~484.8万円

・乗車定員:7~8人

・サイズ:全長4,690-4,810mm×全幅1,695mm-1,725×全高1,870-1,885mm

・最小回転半径:5.7-5.8m

・WLTC燃費:11.6~20.6km/L

セレナもロングドライブや車中泊に適した一台です。現行モデルは乗り心地の良さや酔いにくさ、フルフラット時の寝心地などにこだわった設計がされています。また、全車プロパイロット装備で、高速走行時のドライバーの負担を大きく軽減できます。

最上位グレードを除いて8人乗りしか選択できませんが、2列目中央は1列目への移動も可能な「スマートマルチセンターシート」を採用。シートアレンジのバリエーションも豊富です。

⑥トヨタ アルファード(ラージサイズ)

・新車時価格:510万円~1065万円

・乗車定員:7~8人

・サイズ:全長4,995mm×全幅1,850mm×全高1,935mm

・最小回転半径:5.9m

・WLTC燃費:10.3~18.9km/L

ミニバンの王者といえる存在のアルファード。2024年にフルモデルチェンジし、変わらず高い人気を誇ります。

車両価格の高さが大きな壁になっていましたが、2024年12月、8人乗りの廉価グレード「X」(510万円~)が追加されました。サイズが大きいので運転のしやすさや近所での使いやすさは考慮する必要がありますが、乗れば高い満足感を得られる一台です。

■参考にしたい各種ランキング

最終的には「自分に合うミニバン」を選ぶべきですが、多くの人に選ばれている車や経済的な車はそれだけの魅力があります。

以下の各種ランキングもミニバン選びの参考にしてください。

▽2024年の新車販売台数TOP5

2024年において、新車販売台数が多かったミニバンTOP5は以下の通りです。

1位:シエンタ(コンパクト)

2位:フリード(コンパクト)

3位:セレナ(ミドルサイズ)

4位:アルファード(フルサイズ)

5位:ヴォクシー(ミドルサイズ)

近年は狭い道でも運転しやすいコンパクトミニバンが特に人気です。一方で、フルサイズミニバンのアルファードも変わらず高い人気を誇ります。

▽燃費の良いミニバンTOP5

2025年5月現在、燃費の良いミニバンTOP5(カッコ内はWLTC燃費)は以下の通りです。

1位:シエンタ(最高28.8km/L)

2位:フリード(最高25.6km/L)

3位:ノア(最高23.4km/L)

4位:ランディ(最高23.2km/L)

5位:ヴォクシー(最高23.0km/L)

■ミニバン選びでよくある質問

Q. 買ってはいけないミニバンの特徴は?

以下のようなミニバンは、買って後悔する可能性があるので購入をお勧めしません。

・乗車人数に対してサイズが大きすぎる/小さすぎる

・自宅の駐車場や近隣の道路に対してサイズが大きすぎる

・車が大きすぎて運転しにくい

・車両代や維持費が家計の負担になる

・古すぎて安全装備が物足りない

この他、車の使用用途乗員の内訳、走行環境などに合っていない車は避けましょう。

Q. ミニバン選びで見るべきポイントは?

ミニバン選びでは、以下の4つのポイントを押さえるようにしましょう。

・サイズと予定している乗車人数・荷物量

・利便性と快適性(各種装備やシートアレンジなど)

・車の安全性(予防安全装備や先進運転機能)

・車にかかるコスト(車両代や維持費)

また、数年で手放す場合はリセールバリューの考慮もお勧めします。詳しくは、この記事の前半の内容を確認してください。

Q. 中古ミニバンのチェックポイントは?

中古ミニバンを選ぶ場合は、以下のポイントを見ると良いでしょう。

・年式と走行距離のバランス(1年1万km前後が目安)

・車両状態(部品の劣化の有無や交換履歴)

・予防安全装備の充実度(衝突被害軽減ブレーキなど)

・スライドドアやシートアレンジなどの使い勝手

ハイブリッド車の場合は、駆動用バッテリーの劣化度合いも確認すると良いでしょう。

Q. ガソリンとハイブリッドはどちらがいい?

ミニバンは車重が重く、他のボディタイプより燃費が悪い傾向があります。そのため、少しでもガソリン代を節約したいならハイブリッド車がおすすめです。

ただし、ハイブリッド車はガソリン車より数十万円高く、廃車までに8万~10万km以上乗らないとガソリン代で車両代の差を埋められないことも。走行距離が短めでコストを気にするのであれば、ガソリン車をお勧めします。

Q. 2WDと4WDはどちらがいい?

平坦な道での市街地走行が多いのであれば、基本的には2WD車で困ることはありません。しかし、降雪地帯に住んでいる場合は雪道でのスリップを避けるため4WD車をお勧めします。

(まいどなニュース/norico)

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